内容説明
「映像とは何か」という本質論より、「映像には何があるのか」と事実をたずね、それと向き合い経験を積むことのほうが重要である。かつては「世界の折り目」でありながら「知の片隅に追いやられた」とされる「類似」。近代の過程が排除したその可能性に光をあて、「自由」と「束縛」という古くて新しい問題を浮き彫りにする哲学的批評。
目次
1 オリジナルとコピー(デカルトのツリー―支配のしくみについて;ルソー対フランクリン―自伝をめぐって;ロレンスの樹木と性―『恋する女たち』について;デュラスの回り道―『愛人』について)
2 類似と二重性(類似の抑圧―『死都ブリュージュ』について;二重の美―世界の内部での自由;めまいの美学―ヒッチコックの二重性;要約しえないこと―ジャンケレヴィッチの哲学;人は草である―詩的言語について)
補遺 映像と似ていること
著者等紹介
原章二[ハラショウジ]
1946年、静岡県伊東市生まれ。早稲田大学政治経済学部を経て、文学部を卒業。1971~75年、フランス政府給費留学生としてパリ大学に学ぶ。ジャンケレヴィッチ教授の下で博士論文「ベルクソンと美学」を書き、パリ大学博士(哲学)。現在、早稲田大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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