内容説明
新進気鋭のフランス文学研究者が、十数年の歳月をかけ“聖”という視点から鋭く読み解く。三つの短編に対応する長編『ボヴァリー夫人』『聖アントワーヌの誘惑』『サラムボー』との比較を通して明らかになる、新たなフロベール独自の美学・宗教観と物語世界。
目次
第1部 『聖ジュリヤン伝』―フロベールと聖人伝説(フロベールの宗教性;『聖ジュリヤン伝』流動する時空;『聖ジュリヤン伝』におけるジュリヤンの「道行き」)
第2部 『純な心』―女性・地方風俗・信仰(『ボヴァリー夫人』エンマ・ボヴァリーの宗教的世界;『純な心』変容する空間;『純な心』における「聖域」)
第3部 『ヘロディア』―フロベールとオリエント(『サムラボー』における「彼方」の世界;『ヘロディア』声と視線の交錯;『ヘロディア』におけるヘロデの「不安」)
著者等紹介
橋本由紀子[ハシモトユキコ]
2000年ルーアン大学(Universit´e de Rouen,France)DEA(専門研究課程)修了。2007年青山学院大学大学院博士後期課程満期退学(文学研究科フランス文学専攻)。現在、日本大学国際関係学部助教。日本フランス語フランス文学会/日本比較文学会/国際文化表現学会/日本フロベール研究会(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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