内容説明
メルヴィル、ホーソーン、ホイットマンなど、アメリカン・ルネサンスの作家たちをトランスナショナルな枠組みで新たに読み直し、その越境性と独自性を照射。黎明期のアメリカにナショナル・アイデンティティをもたらしたものは「分断」ではなく、地理的な境界を脱した、より広い世界との「接続」ではなかったか。
目次
特別寄稿 アメリカ文学を裏返す―環大西洋の海景と全地球的想像空間
第1部 大西洋世界の旅と交易(メルヴィルとトランスナショナルな身体―『白鯨』、『イスラエル・ポッター』を中心として;トランスアトランティック・アペタイト―『アーサー・ゴードン・ピムの物語』における食の表象;二つの国家と二つの「富」―エマソンの大西洋経済学 ほか)
第2部 ニューイングランドの変容(アメリカン・ルネサンスと二つの埋葬―エマソン、ポー、「理性」のゆくえ;「新しい霊がぼくにはいって住みついた」―オルコット『ムーズ』とイタリア;産業革命によるホーソーン文学の変容―運河と鉄道を中心として ほか)
第3部 国家とエスニシティ(『大理石の牧神』における人種問題―ミリアムを中心として;『クラレル』のニュー・パレスチナと北米先住民;根なし草の夢想した解放―経路で読む『ブレイク、あるいはアメリカのあばら家』 ほか)
著者等紹介
竹内勝徳[タケウチカツノリ]
1960年生まれ、鹿児島大学・教授
高橋勤[タカハシツトム]
1958年生まれ、九州大学・教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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