内容説明
ユダヤ系の女優ミリアムをヒロインにジェイムズが描きだす19世紀末のイギリス社会の諸相。上流階級の意識と芸術、「女優」の特性、「ユダヤ性」、写真の表象と大量消費/複製社会、唯美主義運動…ジェイムズの芸術観が色濃く反映された作品にさまざまな「読み」で挑む。
目次
序論
消失する写真と複製される写真―『悲劇の詩神』にみるジェイムズの美学と時代認識
女優の肖像にみるジェイムズの芸術観
二人の芸術家像にみる、劇作に惹かれるジェイムズ
ジェイムズが描く世紀末の女性と結婚
ユダヤ人女優ミリアム―キャンバスのない刺繍
「プロフェッショナル階級」誕生の物語―“見られる客体”から“見せる主体”へ
唯美主義者ナッシュと消費社会の到来
著者等紹介
藤野早苗[フジノサナエ]
恵泉女学園大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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