内容説明
ビウエラが隆盛を極めていた16世紀スペイン―7人のビウエリスタ(ミラン、ナルバエス、ムダーラ、バルデラーバノ、ピサドール、フエンリャーナ、ダサ)が譜本を出版し、その楽曲は690曲を超えた。が、ビウエラはその後400年間の眠りにつく。華やかなりしビウエリスタの姿を描くとともに突如として消えたビウエラの謎を追う。ビウエラ、ギター奏者、愛好家必読の書。
目次
第1章 カール五世の話
第2章 バレンシア宮廷には、優雅で気品あふれるミラン
第3章 カール五世の側近コボスの館には、自信家ナルバエス
第4章 大公貴族のもとから聖職者へ、宿命だったムダーラ
第5章 謎のビウエリスタ、繊細で優しいバルデラーバノ
第6章 宗教界大物の孫、一途で甘美なピサドール
第7章 美しい音の流れを求めた、フエンリャーナ
第8章 時に遅れて生まれた、ダサ
第9章 ビウエラの終焉と復活
附 関係系図集
著者等紹介
西川和子[ニシカワカズコ]
早稲田大学理工学部応用化学科卒。現在、スペイン史著述家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mariyudu
0
リュートと現代ギターを繋ぐミッシングリンク、ビウエラ。そんな忘れられた古楽器は16世紀スペインで短い黄金時代を築くが、ビウエラに魅せられ宮廷音楽を華やかに彩った7人の作曲家兼演奏家を紹介するという興味深いテーマ。…とは言うものの正直、楽器・音楽と直接は関係の無い人物系譜等が続くせいか(著者の本業は歴史研究家)、それとも多くを想像で補ったお伽話調な語り口の為か、あまりのめり込んで読むことが出来なかった。チャプターに挟み込まれたコラムで楽器やタブ譜の解説が纏められていて、欲求不満もちょっと解消できたけど。2014/08/04