国王カロル対大天使ミカエル軍団―ルーマニアの政治宗教と政治暴力

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  • サイズ A5判/ページ数 367,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784779118128
  • NDC分類 312.391
  • Cコード C0022

内容説明

ドイツ・イタリアに次ぐ強力なファシズム運動が展開された戦間期ルーマニアの政治史。

目次

第1章 軍団運動の形成(一九二二~三二年)
第2章 軍団の「突破」と体制―運動ダイナミクスの生起(一九三二~三三年)
第3章 体制の漸進的権威主義化と軍団運動の停滞(一九三四~三五年)
第4章 「再版」寡頭的議会制の腐蝕と軍団運動の再建(一九三五~三六年)
第5章 軍団運動の躍進と「再版」寡頭的議会制の破綻(一九三六~三七年)
第6章 国王独裁の樹立と軍団運動の崩壊(一九三八年)
第7章 国王独裁の崩壊と軍団運動の「権力到達」(一九三九~四〇年)
第8章 「国民軍団国家」という悪夢(一九四〇~四一年初)

著者等紹介

藤嶋亮[フジシマリョウ]
1974年神奈川県に生まれる。2002年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員などを経て現在、神奈川大学、首都大学東京、文教大学非常勤講師、博士(法学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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にかの

3
ルーマニアという国において、実は独伊に次ぐほどのファシズムに類似した運動が行われていたというのはこの書を通じて始めて知りました。普段詳しく知る機会の少ない国なのでこの本は貴重な資料と言えるでしょう。この国のファシズムとはどのようなものか、なぜ反ユダヤ主義が台頭することになったのか、そこには独特の政治システムが大きな原因として存在します。この本において実は最も重要なのがこの点を解説した序章であり、ここを知ることなくこの運動は理解できません。近代史においても非常に特異なケースであり、知的好奇心を擽る一冊です2012/10/24

せみ

1
戦間期ルーマニア政治史研究の第一人者による、おそらくこの分野に関して日本語で読める唯一の研究書。専門的歴史学には門外漢なのですが、圧倒的なクオリティを感じました。軍団運動が特に農民の支持を集めた要因が、社会学的なものではなくアクティヴィズムだったというのは興味深いです。2012/09/15

コラッジョ

0
ルーマニアのファシスト団体、鉄衛団と、国王独裁を目指していたカロル2世との暗闘を描いた作品。 戦前日本をまるで「愚か者」の集まりで、「愚か」な決断ばかり繰り返したかのように思いこんでいる人に、是非読んでもらいたい一冊。 統帥権の問題に関しては日本に限らず世界中の王国に在った問題であった事が解るし、 先帝陛下であらせられる昭和天皇が、あの異常な時代の中でどれだけ「まとも」で「民想い」な優れたお方であるかを知らしめてくれる。

スズキパル

0
議会政治を切り崩し、独裁体制の確立を目指す国王カロル二世と、反ユダヤ主義と正教神秘主義により民衆の心をつかんだファシズム団体、大天使ミカエル軍団。大衆の利益代表が不完全な「寡頭的議会制」は、両者の圧力に翻弄されながら消えてゆき、国王と軍団は激しい殺戮の応酬に至る…。本書で描き出された1930年代のルーマニア政治は、想像を絶する暗黒時代だった。第一次大戦の戦勝国としてベルサイユ体制の維持を目指していたはずなのに、独ソの両大国の圧力などにより外交的に孤立を深めてしまったことも、ルーマニアの悲劇の一因なのかも。2013/12/30

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