内容説明
2011年3月の危機は「近代」という時代の危機であった。科学とテクノロジーによって規定された制度としての「世界」。それがすでに破綻に瀕していることをあらわにしたのが、あの「危機」だった。その「できごと」がもたらしたカオス的な状況を、ヴィスコンティ晩年の作品をとおして読み解く。
目次
第1主題 芸術と科学―「教授=ビアンカ」モティーフによる(世俗と聖域;近代的な美の理想 ほか)
第2主題 デカダンス―「教授=コンラッド」モティーフによる(対立し、照応するモティーフ;過去への志向 ほか)
第3主題 自然と人為―「教授=リエッタ」モティーフによる(自然としてのリエッタ;人間の肯定 ほか)
第4主題 政治とモラル―「コンラッド=ステーファノ」モティーフによる(政治あるいはイデオロギー;知識人 ほか)
著者等紹介
淺沼圭司[アサヌマケイジ]
1930年、岩手県盛岡市生まれ。東京大学大学院修士課程修了。成城大学名誉教授。専攻は美学、映画理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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