内容説明
恋か、血の絆か。スペイン・アンダルシア地方。美しきフェダルマが知った自らの出生の秘密。従うべきは身を焦がす想いか、それとも…。若者の悲恋を描いた異色の劇詩。個人的次元における自己充足と共同体から課せられる任務や責任の実行との間の相克ないしは葛藤という主題に、詩の形式で挑戦した『スペインのジプシー』(1868)。超能力という斬新な題材を用いた「とばりの彼方」(1859)と、エリオットの喜劇性が凝縮された「ジェイコブ兄貴」(1864)という二つの短編小説に示される、“長編作家エリオット”の底力。
著者等紹介
前田淑江[マエダトシエ]
大阪女子大学大学院文学研究科修士課程(英文学専攻)修了。関西大学非常勤講師
早瀬和栄[ハヤセカズエ]
佛教大学大学院文学研究科博士課程(英文学専攻)満期退学。佛教大学非常勤講師
大野直美[オオノナオミ]
東洋大学大学院文学研究科博士課程(英文学専攻)満期退学。東洋大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ソングライン
15
スペインの若き貴族シルヴァ、キリスト者として育てられたジプシーの娘フェダルマ、二人の結婚に立ちはだかる民族の違いという壁。貴族の地位を捨て愛を選ぶシルヴァを苦しめる敗北した同族たちの虐殺死。愛に生きることの困難が切ない中編「スペインのジプシー」。未来が予測でき、人の心が読める主人公の孤独を描く「とばりの彼方」、たった一つの悪事が青年の未来への希望を閉ざす「ジェイコブ兄貴」の二つの短篇が収められています。2024/02/29
かしこ
0
敵対する同士の恋、ロミオとジュリエット調ですが、違う。いろいろ違う。恋人同士大人だからこういう結末に至ったのか。すごくいいですよ!2015/07/27
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