内容説明
3人の牧師の人生に秘められた、それぞれの愛のかたちとその深さ。胸を打つ悲しみも、いつかきっと癒やされる…ジョージ・エリオットの記念すべき小説家デビュー作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソングライン
13
牧師である夫、愛する子供たちへの愛と献身、バートン家を支えるアミーリア。貧困の中、彼女に訪れる悲劇、人々の心に生きる彼女の慈愛と夫の悔恨「エイモス・バートンの悲運」。長い間、牧師として人々に尽くし、亡くなったギルフィル氏、彼には赴任時若くして亡くなった妻がいた。ギルフィルの辛くも美しい悲恋を描く「ギルフィル師の恋」。夫の暴力に悩むジャネットの苦しみから救うトライアン牧師の許されない過去とその贖罪に涙する「ジャネットの悔悟」。人生の悲しみと崇高な愛を知る人エリオット、素晴らしいです。2022/02/13
かしこ
2
高くて買うかどうか迷った本、やっぱり買ってよかった!ジョージエリオット初期作ですが、全作品を貫く真髄はでているよ。美しく賢く良く生きたいと志しているヒロインが、どん底を流離い、意志の力で気高さを取り戻すという。宗教の派閥争いなどこの時代特有の風俗は漠然としかわからないけど、そういうよくわからないものについて書かれていることの「ふーん、はあ…」という消化されない感が好き。 2015/06/28