内容説明
フランス文化に深く影響されたアイルランド知識人の文学評論。カトリシズムの浸透が精彩に富む想像力の作用をネオ・カトリック系作家に如何に表出させたかを抽出。最終章「マリア・クロス」で、個々の様態の共通項を探り、キリスト教作家の内面構造の比較を試みる傑作。
目次
1 フランソワ・モーリヤック―秘密の扉
2 ジョルジュ・ベルナノスのファウスト
3 グレアム・グリーン―憐れみの詳細綿密な分析
4 ショーン・オフェイロンのアイルランド自治政策
5 イーヴリン・ウォーの敬神
6 記憶の聖霊の宮―シャルル・ペギー
7 ポール・クローデルのラインの黄金
8 レオン・ブロアのパラダイス
9 マリア・クロス
著者等紹介
オドンネル,ドナト[オドンネル,ドナト][O’Donnell,Donat]
本名はドナト・オブライエン。アイルランドの文芸批評家。1917年ダブリンで生まれ、2008年91歳で死亡。本職は外交官だが、閣僚も経験した政治家であり、同時に歴史家、随想家、政治評論家、学者としての多面的な顔を持った才人である
山形和美[ヤマガタカズミ]
1934年生まれ。東京教育大学大学院文学研究科修士課程修了。文学博士(筑波大学)。筑波大学名誉教授。元聖学院大学大学院教授(アメリカ・ヨーロッパ文化学研究科)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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