洋画家たちの東京

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  • サイズ B6判/ページ数 335p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784779116315
  • NDC分類 723.1
  • Cコード C0070

内容説明

明治・大正・昭和と、洋画文化の先端を独占した東京は、才能ある多くの若者を引き寄せた。青木繁、荻原守衛、中村彝、村山槐多、関根正二、長谷川利行、靉光、松本竣介…彼らは東京にどのような夢を抱き、どのような東京を生きたのか。日本近代絵画の裏面を渉猟し、悲運の天才画家たちが命がけで描こうとした夢と現実に迫る。

目次

1 青木繁の上京・哲学館裏の梟・団子坂と藍染川・ステッキと靴・太田の森の美神
2 残された者たち・根岸田園・軍服の審美学者・曙町の松・目眩のする散歩
3 ハリボテ美術館・郊外角筈・パトロン登場・赤いベルギー瓦・戸山ヶ原遠景
4 画廊誕生・漱石が絵を買う・改良住宅・二科動乱・浅井忠の券売係
5 模倣と剽窃・自己とは何か・神童たち・藍染川ふたたび・鴎外が坂を上る
6 デパートの洋画展・覇者の驕り・浅草のなかにある永遠・美術館建設
7 離合集散・画商商売・故郷喪失者の東京・自画像の歪み・山手線にて

著者等紹介

近藤祐[コンドウユウ]
1958年東京・代々木生まれ。一級建築士。慶應義塾大学経済学部卒業。アパレル企業に勤務後、建築事務所を経て独立。現在、東京・神楽坂にて建築デザイン事務所を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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駄目男

9
東京に出た近代の洋画家たちの苦悩が随所に描かれていて情報量満載の本だった。今に名が残る著名な画家は、こぞって登場するが夭折、薄命に終わった洋画家の人生を見ていると何とも儚い。 貧困、発狂、結核、そして震災、戦災などで失われた作品。美術界にとっての損失だけではなく、この手の本を書く人にとっても哀切の限りを尽くして健筆を揮っているのだろう。画家の場合、死後に有名になるケース多いが、それがせめてもの供養なのだろうか。2019/12/09

菊川ねこじ

1
この突飛な行動も天才に青木ふさわしい気まぐれと言えるか?そうとは思えない。思わず手にした大金を画材ではなく洋画家らしい外見をつくろうために使ってしまったのは東京で地位と名声を手にした(理想の)自分と何年も貧窮する現実との落差を埋めたい、という渇望からではなかったか・・壮大なる野心と現実との落差に葛藤し苦しみ、まれに大金が入ればステッキや靴に蕩尽してしまう人間的弱さに青木をみることができる。2022/07/22

ソングライン

1
東京に住み自分の芸術が世に出ることを夢見た洋画家たちが描かれています。青木繁に始まり松本竣介に終わります。梅野記念絵画館で青木繁の絵を見てきたばかりなので感慨が深かったです。また、明治から昭和へ続く洋画界の流れも教えてくれる本です。2015/04/17

ゆうちゃんママ

0
散歩の楽しみの格が、上がります。2011/06/25

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