内容説明
満鉄調査部とは、後藤新平が創設した植民地経営を担う国策会社・満鉄のシンクタンク。その活動は「在満日系共産主義運動」として大弾圧された。知られざる事件を通して、「満洲国」のあり方や、在満知識人の試行と「満鉄マルクス主義」の意味を問う。
目次
序章 学問的論争の深まりを期して
第1章 満鉄調査部事件の神話と実像―松村高夫氏への反批判を通して
第2章 『満鉄の調査と研究』の批判的検討―松村高夫・柳沢遊・江田憲治諸氏の批判に応える
第3章 満洲事変と「満洲国」の成立―反満抗日運動を中心に
第4章 満洲事変と満鉄経済調査会
第5章 盧溝橋事件と満鉄調査部
第6章 「満洲国」の合作社政策と満鉄経済調査会
第7章 佐藤大四郎と「満洲」における農村協同組合運動
第8章 橘樸と満鉄調査部事件・合作社事件の思想的背景―「左翼アジア主義」の生成
補章 抄録「元山ゼネスト―一九二九年の朝鮮人民のたたかい」
著者等紹介
小林英夫[コバヤシヒデオ]
1943年東京生まれ。東京都立大学法経学部卒。同大学大学院社会科学研究科博士課程修了。駒澤大学経済学部教授を経て、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授
福井紳一[フクイシンイチ]
1956年東京生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科卒業。明治大学大学院文学研究科博士前期課程修了。早稲田大学アジア太平洋研究センター特別研究員。日本獣医生命科学大学講師・駿台予備学校日本史科講師を兼任。日本近現代思想史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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yamamoto56