内容説明
アメリカが太平洋世界で新時代を築くことは、アジア諸国にとっても新しい関係の出発点でもあった。帝国主義時代の朝鮮半島をめぐる列強の角逐のなかでの朝米関係、アメリカ・スペイン戦争から始まるアメリカ・フィリピン戦争とその結果、激動の中国近代史における“アメリカ観”の変遷、アジアの戦争の“主役の一人”でもあったアメリカにおけるアジア系アメリカ人の文学に昇華された戦争の記憶…。
目次
第1章 一九世紀後半期の朝米関係(アメリカとの接触;『朝鮮策略』とアメリカ;朝鮮の対米開国)
第2章 フィリピンから見た二〇世紀転換期の米比関係―アメリカ・フィリピン戦争を中心に(アメリカ・フィリピン戦争とエミリオ・アギナルド;アメリカ・フィリピン戦争の展開;アメリカ・フィリピン戦争と黒人兵士;シスト・ロペスの言論活動)
第3章 近代中国教育界から見たアメリカ―地理・歴史教科書の分析を中心に(近代中国の教育とアメリカ;清朝末期(一九〇一年~一九一一年)の教科書に描かれたアメリカ ほか)
第4章 アジア系アメリカ人の戦争の記憶―アメリカに内在するアジアの周縁(アジア系アメリカ文学史―戦争、記憶、表象;椰子の木と空―アジア系アメリカ文学と惑星思考)