内容説明
山本周五郎の「赤ひげ」は捕物帖?「捕物帖」は日本のオリジナル文化!その正体は純然たる探偵小説、ミステリだ。岡本綺堂『半七捕物帳』から宮部みゆきの霊能捕物帖『震える岩』まで、百年に近い捕物帖の流れに分け入り、新たな読み方・愉しみ方を案内する。
目次
第1部 江戸のヒーロー定説と異説(三大捕物帖と林不忘『釘抜藤吉捕物覚書』;横溝正史『人形佐七捕物帳』;城昌幸『若さま侍捕物手帖』;久生十蘭『顎十郎捕物帳』;坂口安吾『明治開化安吾捕物帖』 ほか)
第2部 捕物帖百人の時代(捕物帖黄金期・三題;ピカレスク捕物帖・三題;捕物帖維新・三題;ミステリ捕物帖・三題;ハードボイルド捕物帖・三題 ほか)
著者等紹介
野崎六助[ノザキロクスケ]
1947年東京生まれ。1992年『北米探偵小説論』(双葉文庫)で日本推理作家協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Genei-John
2
かつて「幻影城評論研究叢書」から武蔵野次郎の『捕物帳の系譜』が予告されていたが未完に終わり、後年、縄田一男が同名評論書を出すまで捕物帖の評論はなかったようだ。ただ、縄田一男の評論は本書でも述べられているように取り上げている作品が狭く、予告されていた武蔵野次郎の『捕物帳の系譜』の網羅性には及ばない。本書は『百年』の冠を掲げるとおりに捕物帖を概観し、未完に終わった『捕物帳の系譜』を再現するものだと思う。2012/12/02
ワッピー
1
古典から異端、新世代まで鳥瞰できること、捕物帳のアジールとしての意味づけなど、自分にとっては参考になりました。2010/10/10
野田有
0
横溝正史から坂口安吾までの流れが素晴らしいですね。後半がガイド本のようになってしまったのは勿体無いですが…でもエロス捕物帖は読みたい(えっ2010/11/30
poefan
0
抜群に面白い。『鬼平』ですらかすんで見えてくる。野崎流捕物帳の歴史、切れ味抜群。2010/09/01