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内容説明
“太陽の沈むことなき帝国”スペイン黄金期における悲劇の王子ドン・カルロスをめぐる“男と女”の人間模様…。
目次
1部 オペラ・戯曲編(ヴェルディの「ドン・カルロ」;シラーの「ドン・カルロ」)
2部 歴史編(亡きカール五世とユステの修道院;スペイン統治者フアナ王女;王妃イサベル・デ・ヴァロア;謎多きエボリ公女;王子ドン・カルロスと約束の地フランドル;運命の一五六八年;オペラ「ドン・カルロ」、その後)
著者等紹介
西川和子[ニシカワカズコ]
早稲田大学理工学部応用化学科卒。現在、特許庁審判長。神奈川県逗子市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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takakomama
6
METのライブビューイング(フランス語版、全5幕)の予習。ヴェルディのオペラ「ドン・カルロ」はフランス語版、イタリア語版、全4幕版、全5幕版といろいろあるそうです。オペラのあらすじとシラーの原作、スペインの歴史。昔の王族たちは10代で国際結婚が当たり前。権力と思惑が入り乱れ、国益のために国王は非情にも反乱を企てた息子ドン・カルロスを幽閉します。ドン・カルロスは23歳で亡くなります。登場人物ひとりひとりの人生がドラマチックで一気読み。2022/05/16
ろべると
4
オペラを見たのを機に再読。スペイン・ハプスブルク家の悲運の王子ドン・カルロスを中心に、オペラに登場する実在の人物たちの生涯を紹介している。父方の祖父と母方の祖母、父方の祖母と母方の祖父がそれぞれ兄妹という血の所以か、奇行を以って父王に後継者にされず、最期は幽閉されて死を迎える。他にも濃ゆい男女が多数登場して、なんだか大変なことになっているのだ。 著者はプロの文筆家ではないなと思って略歴を見ると、特許庁で審判長を勤めた人であった。趣味でスペイン史に関する本をいろいろ出しているようだ。2021/06/01
huanghongyang
2
スペイン国王フェリペ2世の長男ドン・カルロの実像についての本だった。宝塚の「ドン・カルロス」とオペラ、実像はどれも違っていた。実際のドン・カルロは地位はあったが、愛に恵まれず、空気が読めず、能力もなく、無鉄砲だった結果、皇太子として許されない行為を行い、父親に幽閉されて暴飲暴食、断食を繰り返しての自殺という悲惨な末路を遂げたようだ。読む限りでは、父親を含めた周りの人間は彼をそれなりに大事に思っていたようだった。2012/05/04
Sol
1
まるでその時代にいて、見てきたような著者の記述。当時この人はこう思ったんですね・・・って本当?って思いながら楽しみました。スペインについてもっと知りたいって思いました。2013/03/20
Kei
1
おもしろかった〜!シモンと並んでヴェルディ作品の中で私が最も好きなドン・カルロを歴史的に紐解く本。手に入れにくいシラーの原作の内容も概説。がっつり歴史本というより、読み物的で読みやすく楽しい。「シモン・ボッカネグラのイタリア史」なんてのも出版してほしいですね。同じ著者のフェリペ二世の伝記本も読みたくなった。ところで、そのフェリペ二世、オペラでも歴史上でも本当に魅力的な人物だけど、どうしてもフルラネットの姿と声が毎度浮かんできてしまいます…。。どうも私のなかではフェリペ二世=フルラネットらしい。。。2012/08/17