内容説明
語りの魔術師G・チョーサーに導かれ、古典修辞学から再構築した独自の「物語のレトリック」理論を駆使して、物語を面白く読み解いたユニークな研究。
目次
語るということ―物語は何処からきて何処へいくのか
語りとの関係でみる物語の深層構造
語り手はいかにして生まれたか―スティーヴン・ヴィンセント・ベネの『自由はめったに買えるものではない』
語りと視点の操作―ジェイムズ・サーバーの『ツグミの巣篭もり』
語りと思考の動き―ジェイムズ・ジョイスの『死者たち』
語りとサスペンスの旋律的対位―ウイルバー・ダニエル・スティールの『足音』
語りとポストモダンの精神分析―ポール・ボウルズの『あなたは私ではない』
語りとアリュージョン―フラナリー・オコナーの『善人はめったに見つかるものではない』
詩の語りにみる思想と想像力―パーシー・ビッショ・シェリーの『オジマンディアス』
語りと人間誕生の宿命的悲劇―ジョゼフ・コンラッドの『白痴』
語りにおける作者・テクスト・読者の関係構造―愛を壊す他者との人間関係
語りとレトリックの関係構造―レトリックの物語
「悲劇構造の技法」から「物語構造の技法」へ―ギリシア悲劇から学ぶ
語りのプロットと古典悲劇の構造―ジェフリー・チョーサーの『トロイラスとクリセイデ』における「形式」
語りのプロットと中世喜劇の構造―ジェフリー・チョーサーの『カンタベリー物語』における「錬金術師の弟子の話」と騙しのレトリック
プロット構成の技法―語りの構造分析
私の語りの構造分析に関する修辞的用語
私が選んだ魔術師たち―私的紹介
著者等紹介
佐藤勉[サトウツトム]
1940年生まれ。立教大学大学院博士課程満期退学。イギリス・レディング大学文部省派遣研修(1980)。アメリカ・カリフォルニア大学バークレイ校客員研究員。現職:獨協大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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