ジャック・ロンドン幻想短編傑作集

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784779113918
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

心の神秘を描くアメリカの巨人、知られざる作品集! 降霊術師を母に持つジャック・ロンドン…極北の自然を舞台にした『荒野の呼び声』『白い牙』の作家が、死の直前に描いた幻想に満ちた四編の初訳を含む五編で編む。

〈収録作品〉
★「夜の精」 ソローの「人間の叫び」をちりばめ、人生の哀歓を語る作品。
★「赤い球体」 ユングの夢世界と神話的世界の入り交じる混沌の世界。
★「コックリ占い板」 人間の潜在意識に対する興味が見事に表れている作品。
★「古代のアルゴスのように」 夢の中で真実を見るという神秘的な能力を持つ男の物語。
★「水の子」 ハワイの神話と伝説と夢世界が溶け込んだ物語。
★「幻想文学作家」としてのジャック・ロンドン ―― 訳者解説


同著者・同時刊行書に『火を熾す』(ジャック・ロンドン 著、柴田 元幸 訳、スイッチパブリッシング、2008年09月刊、ISBN 978-4-88418-283-0 )があります。

内容説明

降霊術師を母にもったジャック・ロンドン…極北の自然を舞台にした『荒野の呼び声』『白い牙』の作家が、死の直前に描いた幻想に満ちた四編の初訳を含む五編で編む。

著者等紹介

ロンドン,ジャック[ロンドン,ジャック][London,Jack]
1876年、サンフランシスコで生まれる。91年には缶詰工場で働く一方、養殖牡蛎の密漁にかかわったりする。94年、「ホーボー」の仲間入りをし、アメリカ北部とカナダの各地を放浪。96年、カリフォルニア大学バークレー校に入学するが、一学期で退学。ほとんど独学で当時の新しい思想を吸収した。97~98年クロンダイク・ゴールド・ラッシュに加わり、冬のユーコン河の流域で過ごす。1916年歿

有馬容子[アリマヨウコ]
津田塾大学大学院博士後期課程修了。城西国際大学人文学部助教授を経て、山脇学園短期大学英語科教授。専攻はアメリカ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おりん

30
面白かった。良作。ジャックロンドンはアンソロジーで2編しか読んだことがないが、アメリカ的なリアル志向な作家というイメージがあった。なので、こんな話も書くのかと思って興味深く読んだ。短編集だが、どれも良かった。他の話も読んでみようと思わされた。ただ一つ、訳があまり良くないと思う。不自然な文章が結構あった。2018/10/24

藤月はな(灯れ松明の火)

30
「赤い球体」は文化相対主義を謳いながらも西洋中心主義から抜け出せない西洋人への批判が感じられる作品だと思います。そして鉄の匂いがする血をも連想させる赤い球体で連想するのはエヴァの使徒の核だったりf^_^;)「コックリ占い」は死者の復讐ですね。死者の復讐自体の内容よりも仄めかされる男の娘とその恋人が行ったことにゾッとするのは、私がいつかそうなるかもしれないと思える生者だからだからかもしれません。一方、「古代のアルゴスのように」はフラナリー・オコナーの「森の景色」の逆バージョンでホッとしました。2015/11/17

ニミッツクラス

22
08年の税抜2400円の初版を読了。ロンドンにしては表紙がショボイ…詩集じゃないんだから。“幻想”と銘打つ程の構成ではないけど後発13年の「ジャック・ロンドン奇想天外傑作選」と併せて読み応えがある。5編収録で「水の子」以外の4編は初訳となる。本書でも奇想天外でも、いまだに初訳の出てくる金鉱脈のその筆致は確かにポーに比肩する。さらに描写の背景にある著者の生き様に感嘆する。「古代の…」は金鉱探しの“山師ふたたび”話で、有言実行のドラマには幻想色は無いが、自分には“妄想”すらも出来ない力強さがある。★★★★☆☆2019/12/20

くさてる

20
短編集。20世紀初頭の作品なので、当時の独特の雰囲気が楽しめて面白かった。しかも「幻想」なので、その香りがまた良い。個人的にはファムファタールめいた不思議な女性との出会いを語った「夜の精」、クリスティあたりが書きそうな因縁めいた怪奇幻想な話「コックリ占い板」、老人のはてない夢へ突き進む姿勢が力強く読後感も良かった「古代のアルゴスのように」などが印象に残りました。2015/12/31

さっちゃん

17
この短編集の中で強烈な印象を残すのはやはり「赤い球体」である。人間が追求するもののためにはどんなに残酷になれるのか、未開の地と開かれた文明人との深い溝と共通点。赤い球体とは何か。「火を燈す」とは全く違う幻想的な物語に戸惑いつつも感嘆を覚えた。2015/10/24

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