内容説明
アナイス・ニンが生涯をとおして書き続けた日記。無削除版第2巻、待望の翻訳出版。夫、ミラー、アランディ、アルトー、ランク…そして父との“愛”。他者との関係のなかで、複雑に屈折する自己の内面を深く見すえた膨大な記録。
著者等紹介
ニン,アナイス[ニン,アナイス][Nin,Ana¨is]
1903年2月21日、パリ郊外ヌイイ・シュル・セーヌで生まれ、幼少期をヨーロッパ各地で過ごす。著名な音楽家の父が出奔したあと、母と2人の弟とともに、ニューヨークに移住。初めはフランス語、のちに英語で、彼女が生涯書き続けた“日記”は、すでに15巻がアメリカで出版され、世界各国語に翻訳されている。ニンの作品は、アメリカで生まれた唯一の象徴主義的小説とされ、『近親相姦の家』(1936)、『人工の冬』(1942)、『ガラスのベルの下で』(1944)、『内面の都市』(1959)などがある。1977年1月14日、ロスアンゼルスで亡くなった
杉崎和子[スギサキカズコ]
ホイッティアー大学BA、MA、オクシデンタル大学Ph D.、カリフォルニア州立大学講師、桜美林大学、名城大学、岐阜聖徳学園大学教授を歴任。現在、岐阜聖徳学園大学名誉教授、アナイス・ニン・トラスト理事、ハンティントン図書館研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rinakko
12
日記と創作を絡み合わせ、芸術家として生きる矜持。アナイス・ニンの日記を、これだけ纏まった形で読んだのは初めて。分身、親友、麻薬…という本人の呼び方が、あまりにも字義通りなのに驚嘆した。日記に憑かれ、日記に生かされ、どんな告白も書かずにはいられない。内面を突きつめ、深めていこうとする軌跡。恋多き…というよりは、才能や父性に惚れ込み、神の如き存在に焦がれ続けた女性が見えてくる。そして複数の恋愛の中で、なぜアナイスは母親の役割を演じてきたのか…。ランク博士の精神分析に出会い、古い呪縛から解かれていく件は胸を打つ2013/11/26
rabbitrun
9
性愛小説家として知られる女性が自身の愛欲について語った男子禁制の書。日記とはいえ書名(近親相姦)の内容を含む過激な描写に躊躇がないところに感服する。愛人の1人で本書にも登場するヘンリー・ミラーが当時執筆していた「北回帰線」(序文はアナイスが書いた)とは合わせ鏡のような作品であり、あわせて読みたい。2017/03/27
mejiro
2
60年以上も日記を書き続けた継続力、複雑な恋愛関係、めまぐるしく変化する感情と冷静に観察し言葉にする能力など驚くばかりだった。よくある日記のイメージを覆された。2014/03/17
デンバース
0
日記の可能性がわかる本。2014/07/27
高野竜作
0
どろどろ