出版社内容情報
現代の美学のために、アーティストだけでなく、間接的に関わるキュレータ、表現を受け止める監修について、そして日常生活から発言するための方法としてのアートを考える。
内容説明
現代の美学のために現代美術についてではなく、現代美術で考えるひとつの実践としての極小の思考。
目次
世界に沈黙する危険と、世界に言及する危険―アートと社会の関係について
フィクションとしての歴史―事実を覆い隠すもの、あるいは世界から切断されたもの
二つのボールを追いかけて…―ウリ・ツァイの、見つめえぬものと名づけえぬもの
キッチンという工場―モナ・ハトゥムとジャニーヌ・アントーニ
二人のジョアン―愛と妖精と、そして世界
水滴の彼方―イリヤ・カバコフの美術館と共同キッチン
そしてそこに、傷口が密かに口をあけた―ピピロッティ・リストという凶器
存在としての光―ジェームズ・タレルという視覚理論
フォトジェニックの憂鬱―ウォルフガング・ティルマンスという純粋
古着屋の奥からの視線―クリスティン・ヒルとボイス、そしてエーコ
小さな物語の復権―アッティラ、アタマン、ケントリッジ
道は身体のただなかに終わる?―知識という抑圧から逃れて
階段の下の作業部屋―フィッシェリ&ヴァイスの奇妙な歪み
丘を下り、雑踏のなかへ―多視点の歴史、実践としての言説
著者等紹介
杉田敦[スギタアツシ]
美術批評。1957年生まれ。名古屋大学理学部物理学科卒業。現代美術と哲学、科学、メディアの関係について論じる。現在、女子美術大学芸術学部、大学院芸術表象研究領域、准教授。慶應義塾大学、愛知県立芸術大学などでも講義を行なう。オルタナティヴ・スペース、art & river bankの運営も行なっている。国際美術評論家連盟会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。