出版社内容情報
時代と文化への配慮のために、トウェインは先鋭化していく自らの批判精神を押しとどめることになって、それでも時代と向き合った作家の魂は示唆に富む、その過程を綴った評論。
内容説明
19世紀後半のアメリカ南部社会は、当時の人気作家の目にどう映り、どう描き出され、どう解釈されたのか…ふたりの作品との距離を保ちつつ、同時に作品を通して時代状況を捉えようとする試み。
目次
序章 解放民問題から新南部建設へ―「再建期」点描
第1章 『ミシシッピ川の暮らし』(一八八三)―近代化されるものと、近代化されないもの
第2章 『アーサー王宮廷におけるコネチカット・ヤンキー』(一八八九)―近代化の果てに待ち受けるもの
第3章 北部人の見た南部―「南部紀行」(一八八二‐三)を読む
第4章 ジョージ・ワシントン・ケイブルの旧さと新しさ―小説から政治論文へ
第5章 『ハックルベリー・フィンの冒険』(一八八五)―フェルプス農場の「ごまかし」とジム
第6章 『まぬけのウィルソンとあの異形の双子』(一八九四)―トウェインの時代認識と韜晦
終章 世界に広がる「アメリカ南部」―近代化を見つめるマーク・トウェイン
著者等紹介
杉山直人[スギヤマナオト]
関西学院大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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