内容説明
現代アメリカを代表する3人のマイノリティ女性作家の作品を、フェミニズム批評上重要な“母親の言説”を用いて分析。“母性”表象研究の流れとともに、“母親の声”を積極的に作品に取り入れる彼女たちの多様性に満ちた魅力に迫る。
目次
第1章 「母が語ること」―現代アメリカの聖なる女たち(母親が書くこと;ポストモダン・マザーフッド;権威をもって語る母親)
第2章 母親の語る古典・母親の統べる世界―マキシン・ホン・キングストンの『トリップマスター・モンキー』(『トリップマスター・モンキー』のフェミニズムとヒロイズム;『トリップマスター・モンキー』の中の古典;母親の言説としての『マルテの手記』と『西遊記』)
第3章 聖なる女たちの顕現―トニ・モリスンの『パラダイス』(『パラダイス』の男と女;黒人コミュニティの物語と、女たちの物語;オルタナティブな女神を求めて)
第4章 正しいインディアンのやりかたと「母なる大地・母なる神」―レズリー・マーモン・シルコウの『死者の暦』(母なる大地というジェンダー表象;『死者の暦』の母親たち;アメリカの女神たち―新たな女神を求めて)
おわりに よりよい世界をめざして―「聖なる女」とはだれか?私たちに何の役にたつのか?
著者等紹介
杉山直子[スギヤマナオコ]
1984年、東京大学教養学部卒業。1989年、東京大学総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程退学、フルブライト大学院プログラムによりインディアナ大学英文学科で学び、同大学より英文学修士号および博士号(Ph.D.)を取得。日本女子大学人間社会学部文化学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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