内容説明
文豪と呼ばれる作家や著名な批評家が勝れた作と評価してしまうと、誰もがその言葉を鵜呑みにして、その作品を過大に評価してしまう…。ちょっと疑って読んでみませんか?世界的名作の新たな読み方を平易に示す、もう一つの読書論。
目次
第1章 疑わしい純愛―エミリー・ブロンテ『嵐が丘』(物語の発端に見る疑問点;疑わしいキャサリン・アーンショウの愛;疑わしいヒースクリフの愛;登場人物たちのありふれた共通性)
第2章 世にも不幸な男ムイシュキン公爵―ドストエーフスキイ『白痴』(主要登場人物と概略;ムイシュキン公爵と脇役たちとの関係;ムイシュキン公爵と主役たちとの関係;ムイシュキン公爵の心的特性;ムイシュキン公爵の人間的欠陥)
第3章 復活はついに果たされず―トルストイ『復活』(カチューシャに対するネフリュードフの態度;ネフリュードフに対するカチューシャの態度;子供の問題;作者の無理解)
第4章 血のめぐりの悪い芸術家―トオマス・マン『トニオ・クレエゲル』(トニオの希薄な人間関係;三流芸術家トニオ;空虚な実人生、空っぽな作品)
第5章 滅びにいたる門―アンドレ・ジイド『狭き門』(愚かな者、賢い者;キリストにそむいた男女)
著者等紹介
岡田量一[オカダリョウイチ]
1934年、東京に生まれる。東京大学卒業。都立商科短大を経て、1984年新潟大学教育学部教授。2000年定年退職。米国文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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