内容説明
若者たちは夜ごとの狂奔を繰り返す。停止は成熟、そしてイノセンスの喪失。多種多様の喪失が織りなす夜色は、最終的な喪失、すなわち小村の消失というカタストロフを予感させつつ、いよいよテクスト全体を切なさで染め上げていく…。流浪の民が織りなす中国現代史のドラマ。壮大なスケールで描く九〇年代中国文学の最高峰。初の本格的紹介。
著者等紹介
張〓[チャンウェイ]
1956年中国山東省龍口生まれ。1980年に文壇にデビュー。民間と大地に根差しながら、精神性とその価値を深く探求し続ける、今日の中国における代表的な作家の一人。作品は世界各国に紹介され、形而上的な思索、歴史に対する省察と現実批判を、スケールの大きな長編にまとめる力量が高い評価を得ている。現在、中国作家協会会員、山東省作家協会主席、龍口万松浦書院院長
坂井洋史[サカイヒロブミ]
1959年東京生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科教授。中国近現代文学史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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