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内容説明
現代日本に息づく「美意識」や「型の文化」など、能が我が国の伝統芸能に与えた影響は大きい。その理論的な背景を作った世阿弥が残した『風姿花伝』他、数多くの論書。そこから見えてくる日本文化の深層。また、幼少時、足利義満に寵愛された世阿弥が、その後の義持・義教から逆に迫害を受け、佐渡に流されるなど悲哀感が漂う晩年を読むことで、その人間性を浮き彫りにする。
目次
第1章 風姿花伝(衆人愛敬;花は心、種は態 ほか)
第2章 猿楽から能へ(大和猿楽;結崎座 ほか)
第3章 世阿弥と将軍(世阿弥と義満;世阿弥と義持 ほか)
第4章 世阿弥の能(複式夢幻能の確立;花から幽玄へ ほか)
第5章 世阿弥が残したもの(現代に甦る世阿弥の能;型の文化 ほか)
著者等紹介
斉藤征雄[サイトウマサオ]
1944年、福井県生まれ。1968年、京都大学経済学部卒業。大学時代宝生流能楽の手ほどきを受ける。2009年、会社生活を終え、現在、能楽愛好者の会幹事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zag2
15
世阿弥図書館本シリーズ15冊目。一般の能楽愛好者が書いた本だが、逆にそれだからこそなのか、読みやすくよくまとまっている印象でした。世阿弥の能楽論書十七部をすべて読んだうえで、様々な参考図書を読んでまとめただけあって、能楽について、特に世阿弥について、一通りの知識を得ておこうとするには、ちょうど良い本ではないかと思います。2021/08/13
せら
1
自分と遠い芸能の本はなかなか入ってこず、読むのに一月弱かかってしまった。 世阿弥も決して天才としての一生ではなく、美しい子供時代、権力から嫌われながらなんとか認められる努力… 時の花と真の花は区別して、時の花を大事に覚えておくこと、真の花を三十代真ん中までに習得すること、そのために稽古を勧める風姿花伝。晩年には父の衆人愛敬から離れながら幽玄の思想にたどりついたが、鎌倉からの無常観と禅宗の思想を受けたものであること。 また機会があったら能について触れてみたい。2024/12/31
中山りの
0
そのときどきの工夫は大切。崇められ、固定化された様式美はそれ自体が目的化されており、当初の意図から外れてしまうこともある。 「花」や「初心」の考え方が勉強になった。2016/02/29