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内容説明
日本の65歳以上の高齢者人口はついに3000万人を突破。現在の政府・厚生労働省は、「施設介護から在宅介護へ」という方針を打ち出し、介護予防、地域包括ケア、24時間訪問サービス等に力を入れている。しかし、これでは「介護地獄」への逆戻りが心配され、質の高いケアは実現できない。医師として高齢者介護に携わってきた著者がその実態と問題点を指摘し、打開策を提言する。
目次
序章 政府案「社会保障と税の一体改革」を考える
第1章 現代の高齢者像と福祉の歴史
第2章 介護保険制度とは何か
第3章 これが介護施設の現状だ
第4章 認知症とその専門老健施設
第5章 これからの介護施設はどうあるべきか
第6章 介護保険制度改善への提言
著者等紹介
野間昭夫[ノマアキオ]
1933年東京生まれ。1955年東京大学教養学部理科二類修了。1965年札幌医科大学大学院医学研究科修了後、札幌医科大学第一内科で臨床医として5年間老年医学の診療にあたる。1970年から1年半、スウェーデンのルンド大学医学部に留学。帰国後は、東京都養育院付属病院研究検査部長、岐阜大学教授などを歴任。1997年より特別養護老人ホーム、老人保健施設の診療所長、施設長として5カ所の高齢者介護の現場で働く。2011年に引退し、現在にいたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ymd
0
自分史上、ですけれど、業界事情を俯瞰的に、かつ客観的に、きっちりとまとめてくれている一冊にはじめて出会えた。なぜかこの業界に関わる本は「感想文」や「教科書」や、「政府発表」みたいなものが多くて、ほんとうに情報収集がしづらいのです。こういう質感の本は貴重だと思います。2013/09/21
OfuOfu2612
0
書名よりも副題の「介護制度の課題と試案」の方が内容としてはぴったりくる。財政の問題、つまりは支出を抑制する目的まずありきで、結果的にその目的さえ達成できていないであろう現実が垣間見える。超高齢化日本の社会インフラとして必須の介護施設の整備も、結局は金銭的な憂いのない政治家や官僚の自己満足に陥っている。「施設介護から在宅介護へ」という方針は、現場を知っていたらまず出てこない。いかに現場を知らない人々が制度作成に携わっているかがよくわかる。多くの問題が噴出して臨界点に達してようやく重い腰を上げるのだろうか。2013/06/30