内容説明
祖国を捨てマラヤ共産党の一員となった元日本兵の、最期の二十四時間(『夜は明けない』)。ベトナムがフランスから独立を勝ち取った日の朝、解放軍に従軍した一人の日本人の挫折と孤独(『朝の黄昏』)。十六世紀、イエズス会宣教師に伴われて来日し、信長に「土産品」として献上された黒人青年の絶望(『黒い孤独』)。長い航海の末、フィリピンに辿り着いたマゼランとその侵略に抵抗する若き倭寇との戦い(『マゼランの首』)。息詰まるような濃密な文体で、巨大な歴史の渦の中に巻き込まれていった人間の宿命を描く。
著者等紹介
能戸清司[ノトキヨシ]
1921年、北海道函館市生まれ。東京大学法学部卒業後、朝日新聞社に入社。論説委員として社説や天声人語などを執筆。その傍ら文筆活動を行う。藤田保健衛生大学教授、朝日カルチャーセンター講師を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。