内容説明
敵は朝廷軍3万人!その戦いは、17人の舎人から始まった。大友皇子率いる朝廷軍に戦いを挑む英傑・大海人皇子。だが、大海人に従うのは、わずかな舎人のみ。誰が死に、誰が生き残るのか―。新しい時代を掴みとるための彼等の戦いが始まる。
著者等紹介
町田俊子[マチダトシコ]
1945年東京生まれ。東京教育大学英文科卒。以後都立高校勤務。2011年都立西高校を最後に退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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真理そら
51
壬申の乱に絞った物語なので気持ちの良いところで終わっている。ただ、登場人物のその後も有名なので、その後の悲劇なども思い浮かべると複雑な心境だ。こういうさらっとした小説の中でも讃良(持統天皇)のキャラは強烈なのが楽しい。もしも大田皇女が生きていたら日本の歴史はかなり変わっていたかもしれないなぁなどと想像した。2019/02/26
りー
26
天智の死~壬申の乱終わりまでを、戦記物語風に描いた作品。この乱では吉野側(大海人皇子)の舎人達が大活躍したことがよく知られています。なかなか舎人に視点を絞るのは難しいと思いますが、よく書いたな、という印象。高市と十市の悲恋や大津の才能など、書き込みたいことが沢山あって少し散漫なのと、武人たちがステレオタイプなのが惜しい。合戦の動きを詳しく追うのには良いと思います。2021/01/04
あずき
16
壬申の乱を小説にしたものです。教科書で覚えた事は年号と大海人皇子、大友皇子、という名前程度。古代史については、よほど興味がないと触れる機会はないような気がしていました。人名が読めない、忘れるという混乱と戦いながら読むのが楽しく、この時代をもっと知りたいという気になりました。大海人皇子と共に舎人や息子である高市、大津の活躍にも焦点を当てられ劇的なストーリーになっています。2016/03/30
みほ
4
壬申の乱の物語だがこの戦の主人公、大海人皇子と大友皇子よりも実際の功労者である舎人や若い皇子達に焦点を当てているところがおもしろい。彼らの活躍あってこその大海人軍の勝利でしょう。そういえば、高市皇子が主人公の話って知らないから読んでみたいなぁ。昔は大津派でしたが今は高市に魅力を感じます (#^.^#)2015/09/27
kmiya3192
1
古代史最大の戦となる壬申の乱。その顛末を詳細に小説化する。大津へ都を移した天智天皇は余命を知り弟の大海人皇子へと託そうとしたが、大海人は大津の蘇我赤兄を嫌い天智天皇の依頼を断り吉野へと隠遁する。これが壬申の乱の始まりでもあった。天智天皇が亡くなると、吉野で隠棲していたはずの大海人が時期を伺う。美濃安八磨評が大海人の所領である。ここの多品治を味方につけ不破の関を封鎖。突然のように大海人は一族を連れて美濃へと逃れる。こうした始まった壬申の乱を制した大海人はその後の飛鳥からの律令国家形成を行うこととなる。2021/07/16