内容説明
悪魔が棲むという、ギガロッシュの果ての村。天使の名を持つ青年は、固く閉ざされた扉を開いた。二百年の時を経てようやく解放された村人は、新しい地で暮らしはじめ、ヴァネッサの民と呼ばれるようになった。彼らの優れた技が生み出す産物は新しい地に大きな利益を生み、彼らのまわりでは、野心と怨恨が渦巻くようになる。そんなヴァネッサの民のもとに、一人の少年が帰ってきた―。
著者等紹介
中條てい[チュウジョウテイ]
1956年生まれ。三重県在住。南山大学文学部仏語学仏文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホン
2
200年もの間、魔境に住んでた人々が広い世界に開放され馴染んでいく物語、同じ仲間でも技術を持つ者そうでない者との軋轢、偶然の出会いによる積み重ねで たまたま命拾いできたとか、長老によりまた出発点の魔境に戻り仲間の心の支えになろうとしたり多彩な人間の営みをを通して登場人物が少しでも納得のいく命の使い方を目指している。日本人作家による おそらく中世のヨーロッパを舞台にしたストーリーみたいだが こういう設定のほうが作者が描きたい人間模様を忠実に書けると思ったのかもしれない。つい「走れメロス」の太宰治を連想する。2017/04/10
-
- 和書
- どうぶつかるた