内容説明
明治の横浜に、富貴楼という料亭があり、お倉という名の女あるじがいた。当時の政財界を手玉にとっているともいわれたほどの女傑であった。実際のところ、料亭を訪れる伊藤博文、井上馨、岩崎弥太郎といった大物たちをもてなす彼女の手腕のおかげで、日本の近代化は強力に押し進められたのである。自由でやる気に満ちた空気が溢れた創成期の横浜には、進取性に富んだ者たちが集まり、新しい日本を作っていった。2009年に横浜は開港150周年を迎える。開港当時の激動の世に生きた女性の、常にピンチをチャンスに変えてきた生き様とは?伊藤博文、岩崎弥太郎を始め、血気はやる明治の政財界の要人たちがこぞって贔屓にした。維新後の日本を支えた富貴楼を一代で築いた、名女将の生涯を描いた長編歴史小説。
著者等紹介
樋口いく子[ヒグチイクコ]
1965年、京都市生まれ。佐賀医科大学(現・佐賀大学医学部)卒業。医師。専門は耳鼻咽喉科および漢方一般。横浜市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月夜のウサギ
2
なかなかあっさりした本。主人公の豪腕ぶりが読めるのかと思いきや、ふらふら流れに任せて成功した人物なので、あまり読み応えが無く終わってしまった・・・。富貴楼での出来事を中心に書いてくれると、タイトル通りの本になったと思う。2010/05/14
Ms.H
1
タイトルにあるハマ(横浜)にたどりつくまでが半分…ハマでの活躍ぶりの記述のほうがあっさりしすぎているように思いました。 もう少し、富貴楼の女将になってからの幕末の著名人とのエピソードがメインでもよかった気がします。2009/06/21
tsubaki
0
横浜に実在した、時の権力者が集まる料理屋、富貴楼。 富貴楼を興し、要人御用達にまでしたやり手女将お倉さんの物語。 男見る目がなく、夫の借金を持ち前の美貌と才覚で返すが、稼いだお金は全部この夫が使い果たす。 それが返って奮起する素になったと言うのが、お倉さんのスーパーポジティブなところ。 囲われ、そこの女中に裏切られたり、旦那の姪っ子の駆け落ちを強力したり、波乱万丈だけど その荒波を面白がって越えていく様は明るく前向きで好感持てた。 苦労らしい苦労もさらっと描かれているので、物足りないっちゃ物足りないけど。2019/06/05