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出版社内容情報
子供の頃に憧れたテレビの世界に、障害者の姿は見当たらなかった。それでもバラエティ番組で活躍する芸人になることを夢見た。ただただ、お笑いが好きだったから――。
『R-1ぐらんぷり』第16代王者にして、盲目の芸人・濱田祐太郎。その芸人人生は「どれだけ頑張っても無理なのかもしれない」と「俺は面白いはずや」の狭間で揺れながら、今日まで続いてきた。
“多様性”をうたうテレビ界への疑念、実話漫談にこだわる理由、不安に苛まれた賞レースの予選、初の冠番組で得た手応え、“いじり”について思うこと……濱田にしか持ち得ない視点でそれらを語り尽くす、自身初のエッセイ集。
迷ったら、笑っといてください。
爆笑問題・太田光 推薦!
「いま日本で、シンプルな『漫談』を出来るのはこの男だけ。
濱田、気づいてないだろうけど、俺はいつもすぐそばでお前を見てるからな。
あ、出番の前は必ず鏡を見ろ。毎回鼻クソついてるぞ。」
俺はあくまで芸人。だから「多様性を認め合う世の中になったらいい」とか「誰も置いていかない社会を作りましょう」なんて話をする気はありません。でも12年間芸人をやってきて、思うところはやっぱりいろいろあります。この本では、盲目の芸人である俺に見えている景色を語らせてもらいたいと思います。
――「はじめに」より
【目次】
はじめに
第1章 障害者が見当たらない
〝シンボル〟にしたければ勝手にしてくれ/「お前は目が見えてないから推薦しない」/障害者は福祉番組に閉じ込められている/「とりあえず呼んでみよう」でいいやん/「ノウハウがない」は通用しない/俺だってお前らのこといじるからな/工夫を重ねてくれたドラマのスタッフ/街ブラ番組『濱田祐太郎のブラリモウドク』/結果を積み重ねて得た確信「俺はやれる」/『耳の穴』緊急出演でわかった課題/やっぱりテレビを諦めたくない
コラム サンリオにハマるきっかけ
第2章 見えてきた理想
お笑いが好きになった日/22歳になったらお笑いを始めよう/なんの準備もなしに上がった初舞台/ここまで来れたら芸人目指してええよな/NSCでは万年落ちこぼれクラス/俺のネタに構成や演技は要らない/本当のことだけをしゃべりたい/NSCで出会った同期たち/結果が出なかろうが、この道しかなかった/「目が見えない」をネタに入れる/テレビでの賞レース初決勝で感じたモヤモヤ/「面白かったらちゃんと評価されるんだな」/1回も練習しなかった『R-1』決勝当日/スタジオの床は白杖がよく滑る/「このネタは今日が最後」と決めていた/決勝まで連れて行ってくれた同期
コラム 彼女としか行かない場所
第3章 見たいように見ればいい
爆笑問題の時事漫才に惹かれた理由/いじっちゃいけないものなんてない/「ほんまは見えてるやろ」いじりの成立条件/過剰に気を遣われるのも面白い/〝多様性〟の中に俺は入ってない?/いちばん傷つくのは「面白くない」の一言/「障害は個性」は冷たい言葉/結局、受け止め方は見る人の自由/「どっちか迷ったら笑っといてくださいね」の封印
コラム 目が見えなくても『ドラクエ』だってできる
第4章 〝見る〟と〝観察〟
どこにでもいるようなアホな幼稚園児/手術が終わったらゲームができなくなっていた/一度も好きになれなかった学校生活/芸人はろくでもないやつでもなれる職業/言いたいことを言えるようになるまで/「やっぱり俺は面白いんや」と思いたい/ホームズから学んだ〝見る〟と〝観察〟の違い/自分にやれることはなにか/いちばんやりがいを感じる瞬間
おわりに
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- 和書
- サウダージ 角川文庫