出版社内容情報
麒麟・川島明&小説家・高瀬隼子推薦!
読み進めていくと行方不明者には何か共通点があることに気づいてしまう。
もしかしたら僕らが「おいていかれた」のかもしれない
──麒麟 川島明
行方不明、と書いてみる。
どうかそれがあなたにとって望みどおりの形で整っていますように
──高瀬隼子
この本は「行方不明になりたい」と切実に願った人の前にのみ現れる、「異世界への扉」──
ホラー作家・梨×株式会社闇×大森時生主催の不穏な展覧会「行方不明展」が書籍化!
“行方不明”をテーマに作られた、さまざまな架空の“痕跡”、全52件を完全収録。
※この書籍に収録されている展示品は全てフィクションです。
内容説明
この本は「行方不明になりたい」と切実に願った人の前にのみ現れる、「異世界への扉」。梨×株式会社闇×大森時生(テレビ東京)が手掛けた不穏な展覧会『行方不明展』が書籍化。さまざまな架空の“痕跡”、全52件を完全収録!※この書籍および登場人物はすべてフィクションです。
著者等紹介
梨[ナシ]
ホラー作家。幼少期に『八尺様』を目にし、ネット怪談に目覚める。2022年には漫画『コワい話は≠くだけで。』の原作を担当し、初著『かわいそ笑』を刊行。各分野で活躍中
大森時生[オオモリトキオ]
1995年生まれ。2019年にテレビ東京へ入社。2023年「世界を変える30歳未満 Forbes JAPAN 30 UNDER 30」に選出された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
88
身元不明/所在不明/出所不明/真偽不明 をテーマにした展示会『所在不明展』を書籍化したもの▽「ひと」が行方不明になった時探し求めるヒトがいる。「場所」が不明とは異世界について語ることなのか。「もの」は遺留品として残される。「記憶」さえも不明瞭となり足元が消えていく感覚をもつ▽高瀬隼子「行方不明がインストールされる」私は誰に声をかけようとしたのだったか▽昔テレビで失踪した家族に呼びかける番組をみてた。「いなくなりたい」は誰にもありえるのか。そこに扉があれば人は飛び込みたくなるのか。不穏。2024.12刊2025/04/23
アナクマ
36
「土砂」から「家族の絵」まで、その間しっかりと椅子に腰かけてページをめくっていた感触と痕跡、時間経過を認識しているのに内容の記憶がさっぱり無いというおかしな体験をしました。およそ50ページ分、わたしの意識は何処を彷徨っていたのだろう。むかし学生だったころ頻繁に遭遇した事象に似ています(あの膨大な時間はどこへ逝っちゃったんでしょうか)◉「家族の誰も使わないのに見つかった香水」あるある、(もう)髪も無いのにヘアクリームの残骸とか。不在の存在感。企画会議は楽しかったでしょうね。2025/03/23
あじ
20
吉田浩美・吉田篤弘による制作ユニット、クラフト・エヴィング商會を彷彿とさせるフィクションの世界と説明すれば、好事家たちは「あの感じで捉えるべき書物」なのだなと【行方不明展】の趣旨を理解するでしょう。時を選ばずSNSの宇宙に浮かぶ“死にたい、消えたい”の言霊が具現化した数々のイメージ痕跡。記憶に姿はあるのに、いる、いない、いる、いない…境目が曖昧になっていく浮遊。手垢のない証拠物でも、あなたが消えてしまったら…と宙を見上げてしまうだろう。尋ね人の紙、ネット掲示板、放置された愛玩具、シチュエーション様々な展示2025/02/11
ことちん
16
写真がメインで、本当に展示会のようだった。怖い想像力を掻き立てられ、ひたすら不気味で不穏な気持ちになった。2025/04/28
XX
13
「行方不明展」の図録のような。展示されたものに廃墟感があって、実話怪談の外側を眺めているようだった。文中でもBACKROOMに言及されているが、物語のない映像の怪談に感触が近い。犯罪の結果としてのそれではなく、あくまでも自発的な行方不明希望者たちの記録で、書かれてもいない異世界の存在を感じた。一番最初にすべてフィクションだとわざわざ宣言しているのは、展示物があまりに真に迫り過ぎて本気にする人が出るからなんだろうな。リアルなほど気持ち悪さは増す。2025/03/16
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