出版社内容情報
外から見るほどきれいな世界じゃない
それでも、淡島に未来を思いたかった
志村貴子が描く、夢みる少女たちの光と影──
連載開始から約13年の時をかけて、ついに完結!!!
舞台に魅せられた者たちが過去を乗り越え、紡ぐ未来。
心震える青春群像シリーズ最終章。
美しい祖母の面影を持つ同級生・絵美に、
強い憧れを抱いた桂子は、
やがてその思いを憎しみへと歪ませ、
絵美を孤独に追いやった。
深い悔恨を抱えて長い年月を過ごした桂子だが、
自らの死を前に、教え子の若菜に告白をする……
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
20
ラストエピソードに岡部絵美の物語を描こうとしたのは、実際の宝塚歌劇をめぐる報道が背中を押したのかと思いきや、そんな邪な発想を志村貴子はさらりと否定する。あとがきを読めば、ラストに誰を描くかを決めたあとに、例の報道があり、逆に描くのを躊躇したのだという。志村の、立ち止まり、逡巡し、それでも書こうと決意する流れは、そのまま若菜の心境とも重なっていく。完結まで実に13年。長く続いた物語だが、ずっと読み続けてきて良かったと心底思える、これは漫画だ。2024/06/15
koke
13
完結。13年も経ったのか…。連作短編だが、1巻の物語をさらに発展させた今巻は「堂々完結」と帯をつけたいような出来ばえだった。桂子から受け取った石を若菜が投げて、淡島の内へ外へ波紋が広がっていくさまが公平に映されている。1巻から再読せねば。 ←書影見たら帯にちゃんと「堂々完結」書いてあった💦2024/06/13
コリエル
7
完結。あくまでモデルの一つではあるが、宝塚歌劇団が激震を迎えた中での、このラストエピソードは描くことに大変な勇気が必要だったことは想像に難くない。しかし、この岡部絵美の物語はずっと前に描かれたものであり、いつの世にも人が寄れば当たり前に生じる出来事なのだろう。アニメ化も決まったこの作品がこのようなエピソードを取り上げることは、現実に更なる波紋を起こすことになるのかもしれない。センセーショナルに書き立てたかったのではないが、見なかった事には出来ない。作中の言葉は作者の真意を含むのだろうと思った。2024/05/13
な。
4
読んでて苦しくなる…そんな最終巻だった。黒いモノは確かに其処に在って、でも間違いなく光もあったはずで、フィクションなら良い、ノンフィクションなら駄目、なんてことは決して無くて、上っ面だけで断罪してしまうことだけはしたくないなと。また最初からゆっくり読み直したいです。2024/05/31
連雀
4
とうとう完結です。読み終えたばかりで全然気持ちの整理がついていませんが、たくさんの人々の感情のうねりに飲み込まれ、押し流されるまま、読みながらずっと涙が止まりませんでした。しかし、この作品の本当の魅力は、それぞれの立場、それぞれの気持ちで「淡島歌劇」に関わる無数の人々の存在を物語の向こう側に感じられるところだと思います。作品としてはここで区切りですが、きっと、ここでは描かれていない淡島の物語が無数にあるのだろうなと、今までと同じように既刊を読み返しながら、続きを楽しみにする気持ちでいたいです。2024/05/22
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