感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんやん
23
はて、なんでこのマンガを手にしたのか、よく覚えていない。ここ最近、老いや配偶者の死や末期癌にまつわるエッセイなどを読んできて、ちょっと疲れたというか、そろそろ元気いっぱいの明るいモノを手にしたかったのかも。しかし、これは成人漫画であった、しかもゲイもの。好奇心から『さぶ』とか『薔薇族』なんて雑誌を立ち読み(チラ見)したことを思い出した。溢れる若さ、ほとばしる十代の性欲は、眩しい、時に目を背けたくなるほど。毛深くて汗っかきの少年の体臭がしてくるよ。2023/06/19
そのじつ
12
『あれよ星屑』の山田参助。初期傑作『若さでムンムン』を含む。『若さでムンムン』単行本に短編3本が追加されている。局部の修正が加えられている。『若さ』初読ではゲイ+SM+克明かつ冒涜的性描写に圧倒されたが、再読では、恋も愛も味わうのはまだこれから・・・という未分化な状態の男子たちが、性と向き合い、己と向き合って行く思春期ストーリーと感ぜられた。『風と木の詩』を読んだことが影響しているかもしれない。『若さ』以外は美形男子とクマ系男子のユーモラスな短編や、代償行為に明け暮れる男子二人の短編。楽しく読めます。2016/04/25
龍國竣/リュウゴク
7
水木しげるっぽい顔の人物が登場したり、花輪和一の作品名が教室で語られたり、細部にいたるまで見どころいっぱいの作品集。山田参助が描く女の子はとてもかわいい。セックス自体よりそれに至るまでの過程、心理描写に重きが置かれているところに好感が持てる。女子高生にセックスの後「下手くそ。」なんて言われたら凹むに決まってる。2016/06/10
みたね
2
思ったよりも人目をはばかる感じの内容だった…。でも、レトロちっくな内容と、昭和チックで漫画的な絵柄でとても読みやすかった。他の作品も読んでみたい。2016/08/11
ひるお
1
それこそ『JUNE』の昔から少なからず接点をもってきた、やおい/BLとゲイカルチャー。2000年代にはゲイ向けマンガとBLの接近が見られるとも言われる(『ユリイカ』2007年12月臨時増刊号 特集=BLスタディーズ参照)が、それを確かに感じることができる。BLや少女漫画に出てきそうな“きれい”な顔の男子と、筋肉や体毛豊かな“ゴツい”男子の絡み、というのも、どこか予言的なものを思わせる。とはいえ、お仕置きされるためにレイプ、というのは流石にいかがなものか、とも思う。様々な時代背景を念頭に置いた上で読みたい。2021/12/26