感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナクマ
25
後半。オキナワの意地。小便だなと見送る師匠。羽田入門に北野の喝。歌にまみれ、生きる依代とする人間たちが、太く、清々しい。◉「顔」に注目。殴り殴られるオキナワ。テレサとの別れ、面会での顔とその下に隠した顔。一喝する北野(から感じる声)。ムラのある歌いの中に時折ひかるコージ。澄子の「いろんな表情見せてくれるまで…」と、贈った笑顔の絵。◉心が乗って初めて人は本物のカオをし(歌もまた)、他者の心を撃つ。それを表現した土田の漫画技量と魂を楽しむ。歳月と共に眼の解像度が上がり、学ばなかったことが沢山あると今気づく。→2021/02/11
dokata
2
仏師が木片に仏を宿らせるように、土田世紀は漫画に音楽を宿らせる。コージの歌と全く同等の熱量が漫画に仕込まれている。並のノンフィクションでは届かない。2015/09/09
靖
1
演歌、東北、上京、バブルのころにこの漫画があったのか。執拗な書き込みに作者の情念を感じる作品です。2010/11/27
たー
1
主人公に数々の厳しい現実がつきまとい、そこにドラマが生まれる。 だからこそ、劇中の演歌は、心に響くのです。 「歌にも歌い手にそれを聞く者にもドラマがある。それが演歌だ。」。 このセリフこそ、作品の本質を言い表していると思います。2010/11/21
darizaki
0
絵柄に試行錯誤を感じる。でも描きたいものは全くブレてない。土田世紀は本当に「生き様」を泥臭さく真っ直ぐに描くなぁ2014/08/07