スタンド・ブックス<br> 縄文―革命とナショナリズム

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縄文―革命とナショナリズム

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  • サイズ 46判/ページ数 432p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784778319724
  • NDC分類 210.2
  • Cコード C0095

出版社内容情報

戦後日本は何につまずき、いかなる願望を「縄文」に投影したのか。
岡本太郎が縄文を発見し、思想家、芸術家たちのなかで縄文への関心が高まった。柳宗悦ら民芸運動の巨匠たちが縄文に本当の美を見いだし、島尾敏雄が天皇以前の原日本人の姿を託し、吉本隆明を南島論へと向かわせた。縄文は日本赤軍のイデオロギーにも取り込まれ、オカルトを経由しニューエイジ、スピリチュアリズムに至る。梅原猛が霊的世界を称揚する縄文論を展開し、「縄文ナショナリズム」を生み出すことになった。それは、一九九〇年代の右傾化現象のなかでさらに裾野を広げている。
戦後日本人の新たな精神史。

あらゆる「日本」が投影される縄文の現代史を網羅し、
その思想の体系を詳述した重要な一冊。
――いとうせいこう

アナーキストも保守思想家も、縄文には夢をたくしてきた。
その系譜を細大もらさずおいかける、超古代幻想の現代史。
――井上章一

序章  戦後日本が「縄文」に見ようとしたもの
第一章 岡本太郎と「日本の伝統」
     縄文発見
     対極主義と「日本の伝統」
第二章 民芸運動とイノセント・ワールド
     民芸運動と「原始工芸」
     濱田庄司の縄文土器づくり
     最後の柳宗悦
第三章 南島とヤポネシア
     島尾敏雄の「ヤポネシア」論
     吉本隆明『共同幻想論』と「異族の論理」
     ヤポネシアと縄文
第四章 オカルトとヒッピー
     空飛ぶ円盤と地球の危機
     原始に帰れ!――ヒッピーとコミューン
第五章 偽史のポリティクス――太田竜の軌跡
     偽史と革命
     「辺境」への退却
     スピリチュアリティ・陰謀論・ナショナリズム
第六章 新京都学派の深層文化論――上山春平と梅原猛
     上山春平の照葉樹林文化論
     梅原猛――縄文とアイヌ
終章  縄文スピリチュアルと右派ナショナリズム


【目次】

序章  戦後日本が「縄文」に見ようとしたもの
火起こし器に魅了される/線刻壁画と死者の世界/プリミティブへの憧憬――ルソーにおける「透明」と「障害」/縄文をめぐる戦後精神史へ
第一章 岡本太郎と「日本の伝統」
縄文発見
日本とは何か/国立博物館「日本古代文化展」/一九五一年十一月七日/日本の伝統とは何か/縄文vs弥生/縄文土器――「アシンメトリーと不調和のバランス」/「四次元的性格」/掲載された写真
対極主義と「日本の伝統」
闘いとしての芸術/人類博物館とマルセル・モース/バタイユとコジェーヴ/日本の「伝統」への失望と「対極主義」/縄文土器に見出したもの/縄文土器論の加筆/秋田の「なまはげ」――原始宗教の現われ/花巻の鹿踊り/民芸運動への懐疑
第二章 民芸運動とイノセント・ワールド
民芸運動と「原始工芸」
東京高等工業学校窯業科/図案家・杉山寿栄男と「原始文様」/芹沢銈介と芹沢長介/日本民藝館での「アイヌ民芸品大展観」
濱田庄司の縄文土器づくり
藤森栄一と白崎俊次/濱田庄司への依頼/縄文人は「日本の民芸の先祖」/古代土器複 製標本がもたらしたもの
最後の柳宗悦
イノセント・ワールド/古丹波の「灰被」/岩偶/「美の浄土」としての縄文
第三章 南島とヤポネシア
島尾敏雄の「ヤポネシア」論
南島論の興隆/大東亜戦争と南島経験/「治癒」と「救魂」/「ヤポネシア」論/古代 の生活が息づく南島
吉本隆明『共同幻想論』と「異族の論理」
吉本隆明『共同幻想論』/島尾敏雄×吉本隆明/「異族の論理」
ヤポネシアと縄文
谷川健一「<ヤポネシア>とは何か」/島尾敏雄の苦悩/縄文へ/縄文という「反体制的異端のバイタリティー」/「未来の縄文」
第四章 オカルトとヒッピー
空飛ぶ円盤と地球の危機
カウンターカルチャー/宇宙人との会見/超古代史へ/日本空飛ぶ円盤研究会と三島由紀夫/CBA(宇宙友好協会)と地球の危機/「古代宇宙人来訪説」と「宇宙考古学」/古代に現れた「太陽円盤」/古代太陽王国vs天皇/遮光器土偶は宇宙服を着ている/手塚治虫『勇者ダン』と「宇宙考古学」/北海道でのピラミッド建設
原始に帰れ!――ヒッピーとコミューン
ヒッピーの誕生/新宿・風月堂/「われわれはいまだ知られざる文明の原始人である」 /部族と原始コミューン/「原始に帰れ」/コミューンの行き詰まり/列島改造論と南島/奄美大島の無我利道場/「原子化」から「原始化」へ
第五章 偽史のポリティクス――太田竜の軌跡
偽史と革命
華青闘告発/八切止夫の原住民史観/『日本原住民史』の出版/梅内恒夫「共産主義者 同盟赤軍派より日帝打倒を志すすべての人々へ」/八切史観からの影響とズレ/三人の世界革命浪人(ゲバリスタ)へ
「辺境」への退却

内容説明

戦後日本において岡本太郎が縄文を発見し、思想家、芸術家たちのなかで縄文への関心が高まった。柳宗悦ら民芸運動の巨匠たちが縄文に本当の美を見出し、島尾敏雄が天皇以前の原日本人の姿を託し、吉本隆明を南島論へと向かわせた。縄文は日本赤軍のイデオロギーにも取り込まれ、オカルトを経由しニューエイジ、スピリチュアリズムに至る。梅原猛が霊的世界を称揚する縄文論を展開し、「縄文ナショナリズム」を生み出すことになった。それは、一九九〇年代の右傾化現象のなかでさらに裾野を広げている。

目次

序章 戦後日本が「縄文」に見ようとしたもの
第一章 岡本太郎と「日本の伝統」
第2章 民芸運動とイノセント・ワールド
第三章 南島とヤポネシア
第四章 オカルトとヒッピー
第五章 偽史のポリティクス―太田竜の軌跡
第六章 新京都学派の深層文化論―上山春平と梅原猛
終章 縄文スピリチュアルと右派ナショナリズム

著者等紹介

中島岳志[ナカジマタケシ]
1975年大阪府生まれ。東京科学大学リベラルアーツ研究教育院教授。大阪外国語大学外国語学部地域文化学科ヒンディー語専攻卒業。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了、博士(地域研究)。北海道大学大学院法学研究科准教授を経て、現職。専門は南アジア地域研究、日本思想史、政治学、歴史学。2005年、『中村屋のボース インド独立運動と近代日本のアジア主義』(白水社)で大佛次郎論壇賞、アジア・太平洋賞大賞受賞。2007年、『ナショナリズムと宗教 現代インドのヒンドゥー・ナショナリズム運動』(春風社)日本南アジア学会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

どら猫さとっち

12
縄文時代と戦後日本。これほど結びつきがあったとは知らなかった。岡本太郎、芹沢長介、島尾敏雄、手塚治虫、太田竜、梅原猛、窪塚洋介…。彼らが縄文で見た“イノセントワールド”、それはスピリチュアルとポリティクスを見いだした世界でもあった。憧れとノスタルジーが交差した日本史の始まりに、日本のあるべき姿が見えた。「超古代幻想の現代史」のすべてが、ここにある。2025/09/18

Asakura Arata

9
縄文時代についてはわからないことが多く、取り上げる人の妄想幻想が垂れ流しになり、恣意的にプロパガンダの道具として利用される。そもそも「縄文時代」という区切りも恣意的だし。しかし、今後の分子生物学的にDNAによる解明が進めば、もう少し妄想できにくくなっていくだろう。2025/08/13

Koji Harasawa

7
参政党という集団がいま行われている参院選で躍進するとされている今、読んで良かった。スピリチュアルとナショナリズムが、なぜ融合するのか。その2つを結ぶのが縄文なのだろう。考古学的には解明が難しい故、時代毎に必要とされる意識が縄文に反映されてきた。これからもそれは続くだろうと著者は分析する。縄文をめぐって何が語られているのかを知ることは、その時代が求めている解決策を知る一助になるのかも知れない。400頁を超える力作だが、まったく飽きなかった。2025/07/16

yuyuCh

1
半ば悪口でいうと中島さんお得意の「言説まとめ芸」で出来ている一冊で、彼の器用さや守備範囲の広さ(汎用性の高さ)が読むものに家に帰ってジグソーパズルを作るような心地よさ…、つまり予め完成図は何となく分かるのだが、それを組み立てること自体が快になるという読書体験を見事に得ることができてしまった。でも、それでも面白い!から彼の本はやめられません。青森出身の私としては無視できない、非常によくわかる話だからこそ反省的に考えたい。この本の先を。2025/09/20

正親町三条ペペ

0
⚫︎草稿⚫︎世界革命浪人から縄文右派の陰謀論者となった太田竜。思想的転換のきっかけは本人の老化による体調不良という事実に、さもありなんと思う。ありもしない敵を頭で作って他者を指嗾した親玉のくせに、自分は歯が欠けただけでぶるぶる震える。他者を激しくヘイトする輩で命を捨てた人間を左右問わず見たことがない。(烈士は黙して行動した後、自らの思想を恬然と話すものだ)。口先だけで行動する勇気に欠ける人間は、行動できぬ己の小心を恥とどこかで思って(つまり一定の節度をもって)言葉を発せよ。もちろん自戒を込めて。2025/09/02

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