内容説明
宗教、スピリチュアル、自己啓発、マルチ商法、陰謀論、自然派カルト、ネトウヨ言説…「真理」を求める人たちを、どうして軽んじられるだろうか―。内側からの狂信論。
目次
第1章 真理への欲求と死に対する不安
第2章 世界が公正なものであってほしいという思い
第3章 共同体を求めて
第4章 マインドコントロールとは何か?そして洗脳とは何か?
第5章 じぶんは選ばれた人間だという感覚と、誰かを救ってあげたいという切望
第6章 至高体験
第7章 信仰心を揺るがされたときには、どうなるか
第8章 依存しすぎる病気に飲みこまれて
第9章 改宗、オカルト、ニューエイジ、自己啓発セミナー、マルチ商法、スピリチュアル系、自然派カルト、陰謀論、極左思想、ネトウヨ言説
終章 カルトとは何か
著者等紹介
横道誠[ヨコミチマコト]
京都府立大学文学部准教授。1979年生まれ。大阪市出身。博士(文学)(京都大学)。専門は文学・当事者研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ネギっ子gen
61
【カルトの信者になる人は狂信的だと思っている人だって「狂信」する可能性はある。信者は、その人なりの信念や事情があったはずだ】エホバの証人2世である著者が、自身の体験と知識、さらに宗教被害を受けたと考える脱会済みの1世信者と2世信者たちへの聴きとりを通じて、彼らの体験世界に迫った書。巻末に文献一覧。<本書では、私自身の体験と知識を駆使して、宗教1世や宗教2世たちへの聴き取りをつうじて、あなたが宗教1世になるとしたら、どのような内発的かつ外発的契機によってなのか、ということを説明していきたい>と。⇒2025/05/29
香菜子(かなこ・Kanako)
22
あなたも狂信する 宗教1世と宗教2世の世界に迫る共事者研究。横道 誠先生の著書。宗教1世と宗教2世は大きな違い。宗教1世の世界と宗教2世の世界は大きな違い。自分の意志である宗教に入信するのは自由だし他のだれからも批判される筋合いはない。でも生まれながらにしてある宗教に入信することを強制されるようなことがあったとしたらそれはいつも正しいとは限らないし本人の意思が大切。宗教2世からはじまって結果として宗教1世になるのなら自由だし他のだれからも批判される筋合いはないけれど。難しい問題。2024/05/01
takao
2
ふむ2024/06/16
morgen
2
ドイツ文学研究者による宗教1世、2世へのインタビューを元にした考察。文学研究者らしく、哲学書からの引用が多く、ちょっと読みにくい。宗教2世当事者であり、発達障害、LGBTQ+でもある著者がなぜ文学研究者になったのかという自伝的要素もあり、むしろその部分のほうが面白い。狂信してしまうのには複数の要因があるが、寂しくて知的に自立していない人が取り込まれやすいのかと思う。宗教活動を続けながらも知的に自立している人(教義に疑問を持ったら自分で図書館などで調べたりできる人)は抜けられる。2024/03/26
in medio tutissimus ibis.
1
真理への探求年に対する不安、公正世界信念、共同体、メサイアコンプレックス、志向体験、依存症、陰謀論その他。所謂カルト当事者の言葉から見えてきたのは、以上のような普通の人の持つ欲求にバランスを崩されてカルトに陥ったり、あるいは生まれたときからカルトにさらされて逃れ難かったという事実。そして、実際に世の中の僧は見なされてはいない多くのものがカルト性を持っているという事実である。着地点は言ったら割と普通だが、著者のキャラが濃すぎるのでむしろホッとする。正直カルトより著者の方が興味深いまである。読みたい本が増えた2024/03/14
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