出版社内容情報
こだま[コダマ]
著・文・その他
内容説明
講談社エッセイ賞受賞作家が描く、身内も知らないエッセイ集!
目次
先生のお葬式
きょうが誕生日だってずっと言えなかった
ピカチュウの凧
花火きれいでしたね
抗鬱の舞
何かに目覚めた私たち
タイムカプセルの行方
日記
父の終活
直角くん
あの時の私です
ぺら草
ほのぼの喫茶店
著者等紹介
こだま[コダマ]
エッセイスト・作家。実話を元にした私小説『夫のちんぽが入らない』でデビューし、Yahoo!検査大賞を2年連続で受賞(第3回、第4回)。二作目のエッセイ『ここは、おしまいの地』で第34回講談社エッセイ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
154
土日の不慣れな日勤帯シフトにあたってしまい、早起きが苦手な俺は極度の緊張のせいでここ2日程1ページも本を読めず、禁断症状が出て苦しかったが明日は午後出勤の遅出シフトなのでちょっと読んで寝よう、と思って読み始めたら一気に読み終えてしまった。好きな作家さんなので楽しみに少しずつ読もうと思っていたのに。「おしまいの地」エッセイのシリーズ完結。今回もしみじみ良かった。これでおしまいなのは寂しい。寂しすぎる。別の題材でエッセイは続けてくれるそうなので楽しみに待つ。2023/12/18
どんぐり
86
“おしまいの地”シリーズ三部作の完結編。教職を5年で退職したあとのこだまさんの職歴は、臨時教員、無職、事務所の電話番、無職、高校職員、無職、塾講師、無職、ライター、無職、家庭教師、無職、と無職の〈ペラ草〉(お弁当の仕切りに使われる緑色のギザギザ。正式には「バラン」という)が並んでいる。現在はまた働きに出て、喫茶店でバイトをしているらしい。今回のエッセイもこだまさんを応援したくなるような話が多い。→2023/04/17
mike
74
おしまいの地シリーズも3作目。カバーの写真の、どんよりとした曇り空が果てしなく続く中で泳ぐ1羽の白鳥はまるで彼女のようだ。プッと吹き出したくなる絶妙な文章。その裏に不安定さや侘しさが見え隠れする。気負いも外連も無いこだまさんのエッセイは読むほどに私の心にしっくり馴染む。2024/02/02
シャコタンブルー
73
何となく寂しくて、何となく暖かくて、何となくまた読みたくなる。そんな読後感だった。父親の病気や母親の健康食品おたくの話にも悲しみだけでなく、そこはかとないユーモアで包み込む優しさがあるので救われた気持ちになる。ケンタッキーの話は最高に面白かった。誕生日を10年間も言えなかった話も驚きしかないが、ご主人の無頓著も凄すぎる(笑)。誰かがその存在に癒され、励まされている日陰にそっと咲く一輪の花のようだ。それにしても表紙の白鳥の写真はこのエッセイとの相性は最高だ。孤高の姿がこだまさんに見える。 2022/10/10
sayuri
73
『ここは、おしまいの地』『いまだ、おしまいの地』に続くシリーズ最終巻。2021〜2022年の日記とエッセイが収録。やっぱりこだまさんの文章が好き。ポジティブとは程遠いし読んでいてハッピーな気持ちになるわけではないけれど、身体から力が抜けて心が軽くなっていく。自身の行動を俯瞰し自分を客観的に分析するこだまさん。一生懸命だったり、妙におかしかったり、時に怒ったり、いろんな面が垣間見れる。でも全ての行動の根っこに飾らない人柄と正直さを感じてますますこだまさんが好きになる。笑いと切なさと優しさが凝縮された至福本。2022/10/08
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