出版社内容情報
ジョナサン・A・アラン[ジョナサン アラン]
著・文・その他
内容説明
お尻の穴は男も女も持っている。ペニスにもヴァギナにもとらわれない究極のジェンダーフリー、アヌスから考える新しい文化論。
目次
序章 まちがった扉はない―入口にかえて
第1章 アヌス論、あるいはアナル読み
第2章 ヴァージニティとは
第3章 攻めるネコ―アン・テニノ『男子寮生とタチの恋人』
第4章 『ブロークバック・マウンテン』を位置づける
第5章 植民地主義の尻を叩く
第6章 デルミラ・アグスティーニ「侵入者」を解錠する
第7章 恥ずべき母親愛好症―“エルリンダ夫人と息子”
第8章 復讐に燃えるヴィダル
補章 偏執的読解と補完的読解について
著者等紹介
アラン,ジョナサン・A.[アラン,ジョナサンA.] [Allan,Jonathan A.]
ブランドン大学ジェンダー・女性研究および英語・創作の准教授。クィア理論研究者としてカナダ・リサーチ・チェア(カナダ政府が優れた研究者に助成金を交付して研究を支援する制度)に任命されている。米国男性研究学会副会長
北綾子[キタアヤコ]
翻訳家。日本女子大学大学院修了。大学助手、教員を経て翻訳者となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とみぃ
5
本を読むこと、そこには肌と肌とを触れ合わせる愛撫のような、なにか官能的な快楽を思わせるところがある。作品の肌理にゆっくりと指を沿わせ、わずかなうごめきをも感じとる、エロチックな読書。しかし、作品もだまってはいない。読む人の、心のひだをまさぐり、喜び、怒り、哀しみ、楽しみの琴線に、時に軽く、時に強くタッチする。そうした読書のエロチックな悦びが、なぜか批評とかになると、とても辛辣で、裁断的になってしまうのはなぜだろう。2019/02/02
ヒナコ
3
物語をペニスから読むのではなくアナルから読み解こうとする意欲的な批評集。特に第四章の『ブロークバックマウンテン』と、第五章のケイト・モンクマンの絵画批評が面白かった。 続2019/09/09
ざじ
2
クィア・リーディングと通底してる本。帯の紹介文から男女半々くらいの言及を予想してたけど、題材とされている小説や論文、映画も含め男性の性的アイデンティティに関する考察がほとんどだった。セジウィックくらいは横に置いてから読み始めた方が良かったかもしれない。2018/06/10
ひるお
1
ペニスとヴァギナという異性愛規範的な観点からではなく、誰もが等しく持っているアヌスから読む「アナル読み」を提唱し、小説や映画、詩、絵画を読み解いた一冊。理路整然としているとは言い難く、全体的に読みづらいという印象。海外のBL小説についての論考も、日本のBL研究史を踏まえて読むと、特に目新しいものではないように思える。ただ、攻めがアヌスの快楽や複雑さからは断絶しているという指摘は興味深い。嬉しい驚きはブロマンスへの言及があった点。フィードラーによる「罪のない同性愛」の概念についてはもう少し学びたいところ。2019/10/28
みつ。
0
アナル・アナリシス/ジョナサン・A・アラン/2018 #読了 お尻の穴は男も女もみんな平等に持っている。尻の穴はどの様な概念を人に与えるのだろうか?作品のなかでどの様な役割を与えられているのか?尻の穴に注目して論じられる本書は読者に新たな視点を与えてくれる BLも論じられるよ! #みつメディア2018/07/08
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