内容説明
アメリカ現代史の闇をえぐる衝撃の全米ベストセラー。人体実験、大量虐殺を行った科学者と米政府の「悪魔の取引」の真実がついに明らかに!膨大な資料と関係者への徹底取材をもとに50年間隠されてきた事実を暴く!
目次
第1部(戦争と兵器;証拠隠滅 ほか)
第2部(“破壊の二頭立て戦車”の有効利用;ヒトラーの医師たち ほか)
第3部(押し迫る時間;黙示録的スケールの総力戦にそなえて ほか)
第4部(化学の脅威;頭のないモンスター ほか)
第5部(暗い影の中で;脚光 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
49
終戦直後から米国はナチスドイツの科学者と技術を手に入れる作戦を立てていた。25年は先んじていた最先端技術を誇るナチ科学者たちは、人体実験などに手を染めた戦犯であり、熱心なナチ党員も少なくなかった。来るべきソ連との対決のために、彼らに市民権を与え軍で研究をさせることになった。この本ではそのうち21名を取り上げ、この作戦の紆余曲折を詳しく語る。2014年に出た本で、最近なのに驚くが、この計画の公文書の一部が2012年に公表され、それを踏まえて出版された。臨場感ある書き方があり実に楽しめた。まあその分分厚いが。2016/05/27
kiho
8
詳細に描いた真実が圧巻でもあり衝撃でもある。科学の進歩の裏には、これだけのことが起こってるということ…なのか。2018/07/01
塩崎ツトム
4
戦後アメリカのナチ科学者獲得計画「ペーパークリップ作戦」の顛末を描いた大著。「どんな悪法も、初めは善い目的のために始まった」とはいうが、じゃあそもそもの人類の悪意から生まれたホロコーストの片棒を担いだ連中が、冷戦という新たな悪意の中でどんな行動をするのか? という点は興味深い。初めから終わりまで「悪の凡庸さ」という言葉が頭から離れない。2016/08/19
𝕲𝖊𝖓𝖊𝖘𝖎𝖘𖢲
4
第二次世界大戦後、ドイツ人科学者達を秘密裏にアメリカに連れ込み働かせたペーパークリップ作戦について詳細に書かれた素晴らしい一冊。国益の為ならばどのような手段も正当化される、つまりアメリカにとって有益な働きをする人物ならばホロコーストや人体実験に関わった過去は揉み消される。悪しき事である、しかしそれによって齎された科学の発達と栄光は紛れも無い事実で有り、ドイツ人科学者達の存在無くしては成し遂げられなかった。正義とは何であるか、正義を翳すことが本当に正しい結果を生むのか、所謂必要悪の存在を考えさせられた。2015/12/07
YS-56
3
悪魔の「ど・れ・に・し・よ・う・か・な?」冷戦を隠れ蓑に、許されざる罪は見逃されたのでしょうか。科学の進歩という言葉が実に恐ろしいものに思えてしまう事も、この恐るべき計画の罪なのかもしれませんね。2017/10/23
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- 和書
- 四代目市川猿之助