感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
27
田中によるインタビュー再構成で、存外カジュアルな雰囲気を出しつつ言ってることはやっぱりガチ(笑)。でも色々と目から鱗がぼろぼろ落ちることになるだろうあれこれを述べられているのでその辺はなんだかやっぱり分からないって人が読むにもよろしいんじゃないかと(本当にわかるのか?という気はしなくもないが)。弟子へのインタビューが一番の見所かもしれません。 2015/07/07
禿童子
23
イスラームに対する観念がコロッと変わる本。ISに賛同する危険人物という私の先入観が突き崩されてしまいました。オスマントルコ以来の「カリフ制再興」という理想を抱くに至った経緯が少し読みとれなかったけど、一神教は思ったほど難しくない。人権、民主主義、個性尊重という「常識」が西洋近代の領域国家の伸張・浸透による「洗脳」という見方にも一理あると思いました。人間がしょせんは何かの奴隷であるのなら、アラーに隷属するだけで他の権威・権力を認めないイスラームの方が自由という理屈。日本人ムスリムがもっと増えてもいい(笑)。2018/07/06
nizimasu
10
イスラーム国の問題でクローズアップされた中田さんだが、この本はある種の信仰告白であり、カリフ制の復興を願う氏の主張があますことなく収められている。決して簡単な内容ではないが、イスラム教を以前よりは身近に感じられたのは確か。それに神秘主義やサラフィーなどの流れもかなりわかりやすく書いていて読むと目から鱗の部分が多かった。それにしてもかなりの変わった方みたいなのは間違いないみたいで、こうした人にはイスラムの世界とは寛大でかつ自由に目に映るというのは、実際に入信しないとわからないようだ。ユニークな視点でもある2015/07/14
kenitirokikuti
8
「国士」として振る舞う佐藤優が中田考を危険人物ないし問題人物と見ていたことを思い出した。突き詰めると(いや、突き詰めなくても)、ムスリムは来世が本番なので、また全ては神が決めることなので、この世はどうでもいいことがよく分かる。また、神以外に神はなくムハンマドが神の使徒である、と言ったならばそれで全てであり、キリスト教のように不合理を信じる必要があったり、仏教のように克己して修行しなくてもよい。まぁ、究極のアナーキーだよな。ムスリムになっても特に実利はない、あったとしてもたまたま(インシャー・アッラー)2018/02/03
ヨータン
6
イスラム教になるというと大変なプロセスが待ち受けているんだなと思っていましたが、こんなに簡単になれ、規律も緩いのに驚きでした。日本ではイスラム教に関しては、間違ったイメージばかり先行してしまうけど、しっかりとした知識を持って偏見をなくすことも必要だと思いました。2020/08/31