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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪紫
26
BL本や映画の紹介だけでなく薔薇の進化や多様。異性愛や現実の同性愛者達にも視線を向けた本。個人的にはやおい論争の文が突き刺さった。やはりそういった作品を愛好するからには現実のそういった人達への理解を深めなければいけないと思う。くれぐれも軽い気持ちで萌えを期待してはいけない。中身はクスリとなってしまう時もあるけど大真面目な作品だから。2019/09/19
mittsko
17
これは凄く面白かった! 勝手に、客観的で冷静なBL文化の分析かなと思っていたら、ちがった。無論、分析解説は客観的で冷静なのだが、そこに強い強いコミットメントがあるのだ。著者はレズビアンだと自己紹介する。そして、プロトBL作品に「感情移入」をすることで「自分がレズビアンであることを受けいれ、レズビアンになれた」のだと。本書の主張は、今やBLは「進化」し、ホモフォビア、異性愛規範、ミソジニーを克服するヒントすら胚胎するようになった、しかも、娯楽と快楽の追求をするなかで、無意識的に、というもの。熱い!エモい!2017/12/08
たまこ
17
図書館本。BLそのもものの進化と、BLによって社会が進化する可能性について。BLを読む者として「BL愛好家女性たちの日々の楽しみの活動が社会の進化をリードする表象を生み出す場を作り出している」と言われると少し面はゆいけれど、結果的にそういうこと(多様性が認められ生きやすい社会?)に繋がるのならそれは素敵かな。最後はBLへの賛辞と、愛好者への後押しのメッセージで締めくくられています。ちょっと小難しい部分もありましたが、著者もBL愛好者ということで安心して読めました。2016/01/07
きなこ
13
三浦しをんさんのオビに惹かれて。歴史、定型表現、現実のゲイの目線、進化、コミュニティなどの視点から分析した、BLに対する愛にあふれた評論。紹介されている作品をほぼ読んだことがなかったので感動は薄かったけど、読んでいる人ならもっと楽しめるのでは。タイトルが示す通りBLは進化しており、現実社会における性の多様性の実現、ジェンダー格差解消などを先取りしているというような主旨で、面白かった。中村明日美子さんの表紙が美しい。2015/07/18
すーぱーじゅげむ
12
BLとフェミニズムのつながりがよく分からなかったのですが、これを読んで少し理解できました。高校生のころ友人に腐女子がいたのですが、「女性の抑圧」を社会に出る前から嗅ぎ取っていたんだなぁ……切ない、と思いました。そして、進化系BL。今はBLでも家族へのカミングアウト問題とかをやるんだ、本当に進化している!と思いました。確かに、当事者や活動家がスローガンを掲げた社会運動より、そうでない人が無意識に理想を描き始めたら強いと思います。それから根本的に三島の禁色とかがBLに入らないのはビックリしました。2023/06/14
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