- ホーム
- > 和書
- > 人文
- > 文化・民俗
- > 文化・民俗事情(海外)
内容説明
2000年前に発明された世界地図、コレラの感染を止めた地図、100年も地図に居座りつづけた幻の山脈、地図専門の大泥棒、「脳の地図」の進化…前人未到の地を求めてやまない人間たちの「闘いと冒険」の記録!貴重な図版を100点以上収録。「地図の世界史」決定版。
目次
プロローグ 新たな地図が浮かびあがる
いにしえの賢人たちの功績
世界を売った男たち
概念としての世界地図
ヴェネツィアと中国の地図
ヴィンランドの謎
アメリゴへようこそ
メルカトルの投影法
本になった世界地図
シティ・マップを作る〔ほか〕
著者等紹介
ガーフィールド,サイモン[ガーフィールド,サイモン] [Garfield,Simon]
イギリス生まれのジャーナリスト、ノンフィクション作家。2005年、優れたジャーナリストに与えられるMind Journalistに選出。“インディペンデント”紙をはじめ、多くの新聞・雑誌に寄稿。サマセット・モーム賞受賞のThe End of Innocence:Britain in the time of AIDSなど15冊以上の著作がある
黒川由美[クロカワユミ]
翻訳家。津田塾大学英文学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 3件/全3件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
95
ソベルが序に寄せてー”オン・ザ・マップ=地図に載る”ことは「有名になる」ことを意味し、”オン・ザ・マップ=地図について”語ることは、地図がたどってきた歴史や文化的背景に思いを馳せることと記す。古来、人類がいかに世界を見ていたのか?また地図は優れた美術品でもあり、未知の空白を埋めている怪しげな動物や帆船の絵は冒険への夢をかきたてる。そして現代の旅行書添付地図。二次大戦、ノルマンディ上陸作戦に加わる部隊に『1939年版ミシュラン・フランス』が配られ、連合軍はこのガイドブックを頼りにシェルブールへ進軍したと…。2021/02/27
KAZOO
37
むかし地図の歴史にはまってかなり堀淳一先生の本を読んだ覚えがあります。この本は歴史的な話もしてくれますが、、それ以上に興味を持たせようとする工夫が結構あるように感じました。映画での話や巨大地球儀あるいはカーナビなど最新の話も取り入れています。地理もこのような工夫がされると楽しくなります。2015/01/30
yyrn
25
西洋の古地図の余白は、海であれ大地であれ、恐ろしい生き物の絵などで埋め尽くされているが、あれは未知の世界への恐れや戒めだと思っていたが、「何もない=無価値」と思われたくない地図製作者らの発想があったと言われると拍子抜けするが、日本の余白の多い絵画や地図は、そこにないものを想像で補うことを促すという発想だったのかな?▼紀元前から現代までの様々な地図を取り上げながら、製作者らの意図やその時代背景(アレクサンドリア図書館の最古の地図、富を求めた大航海時代の海図、エルサレムまでの巡礼路程図、コロナ感染図、宝島の⇒2021/02/09
ゲオルギオ・ハーン
23
古代から続く地図と人類についての話を21個のテーマで書いている。書き方が面白く、翻訳も違和感のない文章なのでとても面白かった。特にメルカトル図法が未だに世界地図の基本である理由のところ。実際の大きさを反映されていない、西欧が実際よりも南に位置しているなど問題はあるが他の方式をおさえて採用され続けているのは緯度と経度の正確さ、土地間の距離の正しさが大きな理由となる。他にもピアサル女史によるロンドンの旅行ガイド「A to Z」の話やコレラ伝染の経路を分析したジョン・スノウの地図なども興味深かった。2024/08/14
late
22
昔の地図は非論理的な要素が大きかった。なぜなら地図はもともと王家や宗教団体のために作られるもの(原始的なものを除く)であり、実用性よりも美術的価値が求められたからだ。加えて未踏の地や未発見の生物がたくさんいたというのも大きい。人間、空白は何としても埋めたいものだ。そのため地図製作者たちは、作家のように地図を使って物語を紡いだ。そう言われてみれば当たり前なんだけど、子供の頃にあまり地図と遊んでこなかったので、昔の地図がどうなっているかなんて考えたことがなかった。非常に勉強になりました。2019/04/04