出版社内容情報
*『世界共和国へ』刊行記念のシンポジュウムと特集「フィリピンの<対抗的政治社会運動>批判」が注目です。
・柄谷行人さんが著述した初めての岩波新書『世界共和国へ』をめぐって、浅田彰さん萱野稔人さん高澤秀次さんと柄谷さんが緊密なロング座談会を開催しました。「帝国とマルチチュード」という対抗図式を無効にするような「強権的国家の浮上」という事態を前に、国家を揚棄する思想=方途はいかなるものなのか、まさしく現代思想の最前線を提示する必読の座談会です。
・日本ネグロスキャンペーン委員会創立20周年を記念し、1986年エドサ革命以降のフィリピン政治社会運動の歴史を総括する特集「フィリピンの<対抗的政治社会運動>批判」は、フィリピン社会に関心を持つ方たちだけではなく、広くNGOや南北連帯運動に関心のある人たちにとって、様々な教訓を提示する内容です。
主要な論文は次の通りです。
「共産党の政治=軍事路線の破綻を超えて」F・ボディオス
「NGOにとって政治運動=組織とは何か」秋山眞兄
「現代政治諸勢力の俯瞰図」 A・パレーニョ
「現代フィリピン社会と国家の分析視角」 内田晴子
「世界史の中のフィリピン」私観 湯浅赳男
「世界共和国」と「フィリピン政治社会運動」とは、一見、懸隔が大きいようですが、読み比べていただけるとお分かりになりますが、様々な回路で結ばれています。例えば、「毛沢東主義」がその一例です。皆様のご批判ご意見を是非お寄せ願います。
・その他、いよいよ佳境に入った上野千鶴子さんの連載「ケアの社会学」、大西巨人さんの「春秋の花」、吉岡忍さんと吉田司さんの対談「<水俣病>運動の半世紀から見えるもの」など、注目の記事が満載です。是非、お手に取ってご覧になって下さい。