ＣＨＯＣＯＬＡＴ ＢＵＮＫＯ 描くのは愛

剛 しいら【著】

心交社（2013/09発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 283p／高さ 15cm
• 商品コード 9784778115258
• NDC分類 913.6
• Cコード C0193

内容説明

的場幸洋は父の汚名を濯ぐため、天才贋作師である阿久津脩平の元を訪れ仕事を依頼する。それですべてがうまくいくように思えたが、依頼が完成品の存在しない作品を描く代作だということから事態は一転する。まだ見ぬ作品のためならなんでもすると決めていた幸洋だが、なぜか脩平にキスされ押し倒されてしまう。やらせるのが仕事を受ける条件だと言われた幸洋は何も言い返せず…。書き下ろしＳＳ同時収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[タビサ]

朝南かつみさんのイラストに惹かれて読んだけれど大当たりでした！天才贋作師×美術鑑定士。父の汚名を晴らしたい幸洋は天才画家ポイズンの贋作を脩平に依頼。兎に角ストーリーが面白かった。父親の絵画を盗んだ汚名の真相、天才画家ポイズン、天才贋作師と贋作工房という組織、脩平と幸洋の愛と全ての話に引きこまれました。贋作制作中の脩平は集中していて別人の様だけど普段の脩平が少し甘えん坊で嫉妬深くて淋しがり屋なところが可愛い。幸洋に対しての弥生子の執着が怖かったな。朝南さんのイラスト美しかったです。

2016/03/10

[フキノトウ]

おっもしろかったー＾＾主人公が、芯が強くて凛としていて、好きだった。脩平はなんか、思っていたキャラじゃなかった（自信満々で、傲慢）けど、これもアリだわ。父ちゃんも、このオヤジ大丈夫？って思いましたが、案外純情で、そこもツボ＾＾ポイズンも、魅力的な画家だった。そして、朝南さんの絵。本当に引き付けられる、素敵な絵でした。

2013/10/14

[チョコ大福]

書き下ろしの「描くのは愛欲」と番外編ペーパー「愛を描く男」（小説ショコラ2009年11月号特別ふろく掲載）のみ読みました。忠正とお母さんの恋が気になる。一緒にお風呂に入った話を忠正視点で読みたい。

2013/12/07

[那義乱丸]

旧版積読。貴重な美術品と共に行方不明になった父を捜すというストーリーが美術商・幸洋と贋作師・脩平の恋愛を形作っていく展開が面白くて引き込まれた！帯のあおりと初登場の印象から傲慢な野獣攻めかと思ったら、意外にもまっすぐで素直な面も持つ大型ワンコ攻めでなんだか可愛かった♪題材になっている画家とパトロンの関係性が切なさありのエピになってるのも良かった。そして朝南さんの絵が美しい！物語の世界が艶めいて表現されていて絵そのものにも萌える。初掲載のラフには心が震えた。ラフ画収録を了承して下さったご遺族に感謝。

2013/09/20

[那義乱丸]

剛しいらさんのご逝去を悼み、再読しました。美術鑑定士と天才贋作師を1枚の絵が繋ぐ。いや、ふたりを引き合わせたのはポイズンなのかもしれないな。『青い薔薇の男』を救い出すために、そして、『赤い薔薇の男』を描き上げるために。幸洋と脩平の恋の展開だけでなく、消えた絵画というミステリ部分も読み応えのあるお話でした。イラストは朝南かつみさん。あとがきに、朝南さんともう二度と一緒にお仕事できないのが残念と書かれていて胸に来ました。あちらの世界で一緒に仕事されるかな…。しいらさんの新作がもう読めないのがとても残念です。

2018/04/06