出版社内容情報
女子に何か言われたら、とにかく、YES!
ついに初めての彼女ができた小松。しかし郵便局勤務の大人な女・美奈子に翻弄され、初体験を迎えてしまうのだった……。さらには自分と同類。いや、下に見ていた同級生の男・山田は、整形でイケメン化!小松は遅れをとることとなる。一方で、クラスのモテ女子太田さくらのことは変わらず気になっていて――。
誰もが通過してきたこじらせた日々。他人からどう見られるか、気になって仕方がなかったあの頃――。 舞台はゼロ年代の東京。ルッキズムにもとづく「スクールカースト」がはびこる高校生活。モテか非モテかがモノをいう、過酷な世界。本作は、さえない男〝小松〟が、クラスの人気者である〝さくら〟に恋をし、ひとりの男として、人として成長していく物語。連載当時、「モテバイブル」や「男版ハッピー・マニア」と称される事もあり、話題を呼んだ。
今現在、学生生活を送る読者にも、底知れぬ共感の嵐が巻き起こるかもしれない。そして、ときを経て大人になった読者には、あの時代はどううつるだろうか。安野モヨコが高校生の恋愛を通じ「どうにもならない心の綾」を描いた名作が連載時の美麗なカラーページを再現し、完全版(全4巻)として蘇る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
24
まさしく小松の恋のから騒ぎは終わらない。数々のレクチャーもなんのその、すべてがからまわっていくのは、もはや天性なのか。対し、自信過剰の権化としての山田は、過剰さゆえに動じないこと山の如し。その動じなさは山田の評価を上げていく。よって、さらに山田の自信は強化されるという奇妙なスパイラルが働く始末。そんな中、あとがきで安野モヨコが吐露するように、長沢チャンのキャラがどんどんと立っていくのが面白い。男女で評価の分かれるキャラだが、それも含めて長沢チャンの強さに繋がっているのだ。2025/01/11