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手塚治虫が描いた戦後NIPPON 〈下(1965~1989)〉 繁栄と狂乱の時代、未来への警鐘

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  • サイズ B6判/ページ数 355p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784778033071
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0079

出版社内容情報

手塚作品で戦後日本70年の軌跡を一望

戦後日本が復興、そして経済大国に変貌するとの歩調を合わせるように成長してきた日本の戦後漫画の指標として、常に漫画界をリードしてきた巨匠・手塚治虫が描き続けたのは、激動の戦後社会を懸命に生きた人々や、その時代をとりまいた深刻な危機、社会状況や世相でした。根底に反差別と平和への願いを手放さず、戦後社会の現実に果敢に立ち向かった手塚作品を通して、戦後日本が得たもの、失ったもの、そして今後日本人がどう生きていくべきか、そのヒントとなる作品を精選。「レボリューション」「おそすぎるアイツ」「巨人と玩具」他収録。

【編集担当からのおすすめ情報】
手塚治虫研究の第一人者、中野晴行氏が作品の描かれた時代背景を解説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たまきら

29
子どもの頃大好きだった「荒野の七ひき」を久しぶりに読んだ。むかし、どの登場人物に自分が近いだろうか、と重ねて読んだ気がする。でも、手塚作品は女性が活躍する話が極端に少ないので(少年漫画雑誌に掲載冴えていたせいなのかな?)、それも不満だったんだよなあ。現在の漫画の多様よ。けれども、ストレートに何かを伝えようとするマンガは減ったかもしれない。2019/06/06

八百

18
サブタイトルは"繁栄と狂乱" 編集者が意図的につけたとは言えよくぞここまで大胆に言い切ったものだ。しかしこの作品集を読んで思うことはその言葉は風刺でも暗喩でもなく戦前戦後のこの国を見つめ続けてきた不世出の天才漫画家の予言であったと言うこと。過ちを二度と繰り返してはならないの強い想いをペンに込めて戦争、環境破壊、経済危機、宗教紛争など諸問題に警鐘を鳴らしているのだが復興繁栄に浮かれた日本人は聞く耳を持たず時代は懸念した方向に転がり続けている。ハルマゲドン…そんなものは創作の世界だけの話であることを切に願う2016/10/22

ぐうぐう

17
下巻は1965年から1989年という時代を切り取る。人類初の月面着陸という話題もあるが、核の脅威や米軍基地問題、深刻化する環境問題など、暗く重い世相が漫画自体も暗く彩っていく。学生運動の頃は、虫プロの経営難と重なり、この時期の作品を嫌っていたとされる手塚だが、今読むと、この暗さが異様な雰囲気を醸し出していて、実に読ませるのだ。手塚は昭和が終わると同時に亡くなる。しかし、手塚亡きあとも、当然世界は続いている。手塚なら、今の世の中の問題をどう描いただろう。(つづく)2015/07/23

Mentyu

2
下巻では高度経済成長から手塚が死ぬバブルまでの期間に描かれた作品が紹介されている。手塚にとって豊かさを手にした日本社会がいかに歪んだものであったのか、大学紛争、ベトナム戦争、環境破壊、バブル景気とこの国が経験してきた一連のできごとを、手塚はある時は直接、そしてまたある時には遠い未来に仮託して切り取っていく。2016/05/26

清春

0
手塚治虫が生きていたら今の世の中をどのように描いただろうか。漫画という表現方法で社会問題をメッセージとして伝える。ストーリーが面白い、キャラがよい、の現代の漫画よりももっとストレートにメッセージ性の強い漫画であった。2017/01/28

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