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出版社内容情報
マタギのアイデンティティーは山と共に暮らす生活スタイルにあり、彼らは熊やウサギ、川魚、茸など、山にある様々な恵みを頂いて命を繋ぐ。現役マタギたちの猟や生活を撮影したカメラマンの16年間の記録。
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行こう!狩りへ!!本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
獺祭魚の食客@鯨鯢
65
食事の時に唱和する「いただきます」という言葉は日本だけのようです。 何を?と聞かれて動植物の「命」であると即答する人は少ない。神話でウサギが大国主命に贈り物をしようとしてわが身を食べてくださいと火に飛び込んだ逸話を思い出します。 自然の恵みとして「命を戴く」という心持ちで動物の供養塔を建てるのは日本ならでは。農耕の牛馬のみならず海辺のクジラにさえ持ち続けました。 文化への価値判断を無用ですが、生きるためにする殺生は最小限にという宗教的倫理観と理解は多少なりとも持つ必要があると思います。
AICHAN
45
図書館本。マタギは職業猟師ではないという。猟期が限定されているため専業で生計を立てることができなくなったのだ。公務員や会社員や自営業の人々が休みの日に山に入って熊やうさぎなどを狩る。筆者はマタギのふる里と呼ばれる秋田県旧阿仁町に入り、マタギたちと接して取材した。カメラマンだけあって迫力ある写真がてんこ盛り。特に熊の解体の写真には恐れ入った。読む人はそういう写真がドバッとあることを覚悟して読むべし。マタギはアイヌ民族と同じく縄文人の末裔だという筆者の見方に賛成する。2021/01/02
テツ
28
山に生き、山と共にあるマタギの方々。生きることは他者の生命を奪い続けることだというリアリティが皆無な現代社会だけれど、獲り、殺し、糧にするという人間と自然とのダイレクトな繋がりをまだ保っているマタギの生活。殺して血肉にする。生命を頂き自分の生命を繋ぐ。食物連鎖の大いなる円環に自分も組み込まれていると実感出来たなら人間は所在不明な寂しさを薄れさせることが出来てもう少し幸福になれるのではないだろうか。自分の生は他の生命が繋いでくれている。なんて有り難くてなんて安心出来るんだろう。2017/08/25
ヘタ
18
マタギの自然に対する姿勢が印象に残りました。対決するのではなく、畏れながら謙虚にその恵みをいただく。自然とは征服するのではなく、共存する。伝統を守りつつも、道具に関しては文明の利器も取り入れる。単なる頑固者の職人集団ではないです。2015/11/07
ようはん
17
秋田県阿仁町のマタギを長年に渡り取材した内容。マタギといえば熊撃ちのイメージであるが、のみならず数多くの狩猟採集のエピソードが紹介されている。しかし山を神様として崇め数多くの山の幸を得てきたマタギも高齢化に反して後継者がいない、自然環境の変化で獲物が少なくなったというように存亡の危機に晒されている現実。時代の変化で廃れざるを得ない物は多いのだろうが…2020/03/02
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