内容説明
世界各国を撮影旅行し、渡航先は50か国を超える写真家・稲垣徳文。ライカで撮影された世界の風景や人々をオールモノクロで掲載。未発表作品を含む全140点!また、旅先でのエピソードや日々の仕事についてのコラム20編も必読。
目次
ライカシンドローム香港
カトマンズにて
ライカシンドローム上海
シルクロード
オアシスの花嫁
8×10ポラロイド
わすれもの
フォトキナ2004
南極
南極の緑色の空〔ほか〕
著者等紹介
稲垣徳文[イナガキノリフミ]
1970年東京生まれ。法政大学社会学部卒。在学中、中国シルクロードの写真を発表したことがきっかけでフリーカメラマンとなる。朝日新聞社『AERA』の嘱託カメラマンを経験後、再びフリーに
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
343
フォトグラファー稲垣徳文氏のフォト付きエッセイ。この人は、プロの写真家なので、日ごろは何台ものカメラと機材を抱えて取材に飛び回っている。それでも、プライベートな(なのかどうかは微妙なところだが)シーンでは、学生時代からライカ(特に愛用しているのはM3)1台で、しかもフラッシュは使用しないで撮るのが一番の気に入りなのだそうだ。ここに収録されているのは、すべてそうした写真。ジャケットに選ばれている写真よりもいいものがいっぱいある。うまいなあと感心しつつ、自らの写真の反省もする。フルオートを捨てようとさえ思う。2019/02/08
ほじゅどー
16
★★★世界はどんどん狭くなっている。それでも実際の旅は何が起こるか分からないから素敵だ。この本に出てくるアジアの子供達の素朴な笑顔は素晴らしい。屈託のない笑顔は今の日本では見かけなくなった気がする。是非とも大きなプリントで見たい。2016/11/11
健
5
2021年10月の『稲垣徳文写真展「西北中国 1991」』で見たウィグル族の写真がなかなか良かったので、その写真を収めたこの文庫を購入。写真だけ見てそのまま放置していたのを漸く手に取って読んでみたら中々面白かった。内容は取材旅行先でのライカに纏わるエピソード集。その際に撮影されたモノクロ写真は文章と相まって味わい深く、ちょっと得した気分。なお、表紙の男の子は今では40前後になっているはず。元気で暮らしているのか気になるところだ。2023/04/17
ジュースの素
4
ライカを使って撮った数々。さすがカメラマンなので、カメラの話が多くて分からない用語もたくさん。今まで撮ってきた写真が盛りだくさん入っているが、文庫なので小さくて残念だ。シルクロードのウィグル地域ではほとんどのカメラがダメになるが、砂漠の砂のせいだ。私もその一人で、タクラマカンではカメラをどう保護してもジャリジャリになった。2015/11/26
Ayaka Yamamoto
3
ライカという愛用のカメラが引き寄せる、旅の数々。カラー、動画、3Dと、技術はどんどん進歩していく。そんな流れに揺るがされず、モノクロの静止画「やからこそ」の魅力をきらきらと発光させる人間の腕はすごい。カメラに全然詳しくないわたしみたいな者でも「この写真なんか好きやな」という感覚にも出会える、フォトエッセイ。自分が生きている日本のこの時間と同時並行で、各国で朝昼夜いろんな営みが行われているなんて、世界それ自体がパラレルワールドみたいやなと思った。「南極は遠いところとばかり思っていた。確かに、日本を発ってから2017/01/22