内容説明
『2001年宇宙の旅』『時計じかけのオレンジ』『シャイニング』…時代を超えて観客を魅了する普遍的なテーマと映像の革新性によって、世界映画史にその名を残す巨匠にして異才スタンリー・キューブリック―その作品世界と人物像をさまざまな角度から読み解く!
目次
論考(写真家キューブリック―映画は無数の写真でできている。;完璧と偶然のはざまに;キューブリックとかかわってはいけない;パイと終末―キューブリック映画のスラップスティック;核もモノリスもひとつの同じ真実;意志を持った物語―『2001年宇宙の旅』;SF作家としてのスタンリー・キューブリック;道化・音楽・諷刺―『時計じかけのオレンジ』のキメラ的世界;キューブリックの音を聴く;建築で読み解くキューブリック映画;スタンリー・キューブリックの目ん玉―『シャイニング』におけるパラレル・ワールド;これはキューブリックの映画じゃないんじゃないか―『フルメタル・ジャケット』が描く歴史的固有性;叫びとささやき―『フルメタル・ジャケット』をめぐって;映画の夢が終わる;アイズワイドシャット;『フルメタル・ジャケット』以後と『アイズワイドシャット』以後)
対談 添野知生×柳下毅一郎 意識と無意識―フロイト主義者としてのキューブリック
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蛸
12
カメラマン時代、音楽、プロダクションデザイン、スタッフ、など様々な切り口からキューブリックを語った論考を集めた本。切れ味鋭く映画の勘所を抑えた若島正の『アイズワイドシャット』評と、キューブリックが本質的にSF作家であることをオールディスとの関係を元に解き明かした藤田直哉の評論が特に印象的。 とはいえこうした本の例に漏れず内容は玉石混合。さらに言えば文章のスタイルの幅も(ただただ自分が調べた情報を並べたてた文章から、個人的な印象を書き連ねただけの文章まで)広いだけに本全体の焦点がぼやけていると思った。2020/08/07
Isamash
0
キューブリックに関わった人間の何人かが猛烈に怒っているエピソード紹介した滝本誠氏の評論は興味深かったが、その他、中沢新一や橋本治など著名人の寄稿も含めて、期待はずれであった。まあ、シャイニングのホテルが人工的でセット(五十嵐太郎氏寄稿)というのは思いもしなかった。2021/01/24
kaz
0
図書館の内容紹介は『「2001年宇宙の旅」「時計じかけのオレンジ」…。普遍的なテーマと映像の革新性によって、世界映画史に名を残す巨匠にして異才スタンリー・キューブリック。その作品世界と人物像をさまざまな角度から読み解く』。内容紹介のとおり。キューブリックの狂気の世界は、案外、好き。 2020/09/06
Kolon
0
映画館のパンフレットの様な本でした。2020/08/02