内容説明
日本とアメリカは「今、どう教えているのか?」「あの戦争」を「当時、どう伝えていたのか?」さまざまな「太平洋戦争」の局面において、当時の「朝日新聞」と「ニューヨークタイムズ」、現在の日本とアメリカの教育現場で実際に使われている「歴史教科書」や「資料」の具体的な記述を紹介し、解説を加えた。これまでにない視点で「太平洋戦争」を総括する1冊!
目次
序章 開戦前夜(ファシズム色を強めて総力戦体制を推進―日独伊三国同盟成立;アメリカの対日経済制裁で緊張高まる―日米交渉開始 ほか)
1章 進撃(先手必勝!米太平洋艦隊に壊滅的打撃を与える―真珠湾攻撃;大艦巨砲主義の終焉を告げる戦い―マレー沖海戦 ほか)
2章 転進(太平洋戦争の転換点となった日本海軍の歴史的大敗―ミッドウェー海戦;玉砕の覚悟を捨て、皇軍無念の撤退!―ガダルカナル島撤退 ほか)
3章 終戦(死者10万 首都を焦土と化した無差別爆撃―東京大空襲;島民を巻き込んだ国内最大の地上戦―米軍、沖縄本島上陸 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ZEPPELIN
7
新聞は朝日とニューヨークタイムズの当時の記事、教科書は日本が山川でアメリカの2種類と比較。新聞は見出し以外は小さくて読めないが、基本的に煽る姿勢の朝日に比べ、常に落ち着いているNT。反対に、日本のことについても詳しく語るアメリカの教科書に対して、淡々と短い山川。山川は高校時代に使っていたけれど、今読んでも全く面白くない文章。この点に関しては間違いなくアメリカの方が歴史教育に熱心。別に当時の日本を美化する必要はない。ただ、生徒に興味を持たせる必要はあるでしょう。山川にはその努力が一つも感じられない2015/09/20
高木正雄
4
米国側の受け止め方についてよくわかった。この本で紹介されているニューヨークタイムズの記事に限れば中立的なように思った。朝日は主題よりも広告とか他の記事の方が気になってしまった 終戦間際にドイツ語通信講座を受ける人もいないのではないだろうか2024/08/11
ハパナ
3
大平洋戦争に関して、日米の現在における過去の捉え方と、当時における各リアルタイムな捉え方。それを現在の教科書と過去当時の新聞を使って、日米の比較をしています。臨場感を特に感じたのは、日本の新聞広告の時系列による緊迫感のある変化でした。あと不謹慎ながらもチクビパスタ?のインパクトにやられました。パスタといえばイタリアとの同盟も必然だったのか?等と思いながら調べてみたら、まだある現役の薬なんですね。2015/11/19
くらーく
2
教科書はさておき。新聞を見比べると、如何に信用ならないかわかるなあ。新聞を毎朝読んでいると、愚か者になってしまいますよ、扇動されて、洗脳されてしまいますよ。日本の新聞はね。ま、軍部の圧力があったのだろうけど。 編集によるものもあるだろうけど、日本の情緒的表現に比べ、アメリカの客観的報道の違いには改めて驚くな。 それと、認識違いだったのが、宣戦布告の遅れ。日本は攻撃開始前に宣戦布告しようとして1時間遅れが、と思っているけど、4ページの記事を読めば、日本領海から出る前に宣戦布告しないと、同じだったなあと。2019/10/05
風見草
1
アメリカの新聞の文言や写真や地図、日本の新聞の脇の記事や広告などは、新聞の複写ならではのおもしろさだと思った。ただ個人的には、日米の教科書制度や歴史教育の議論を踏まえた内容を期待してしまったので、その意味では単に日米の教科書の記述を並べた内容には拍子抜け。2015/10/24
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- 和書
- 腐蝕花壇 角川文庫